オンボーディングを後押しする、目には見えない大切なもの
私は2019年1月に3度目の転職をして、新しい環境で働き始めました。
今はまだカスタマーサクセス職の転職自体それほど多くはないと思うけど、これからはきっと増えていくと思います。
さて今回は転職から1ヵ月が経って感じた「至極当たり前のこと」を書くことにします。
入社時に体験するオンボーディング
カスタマーサクセスの話でよく話題に挙がるものに「オンボーディングの重要性」というものがありますが、ご存知の通り「オンボーディング」はそもそもは人事の領域で使われているもので、新たに採用した人材の戦力化・組織的定着のプロセスを指します。
そして今回、この人事的なオンボーディングを体験して過去の自分を省みることになってしまいました。
あれ?私、オンボーディングしてる?
人事的なオンボーディングは主に、
・会社のビジョン・ミッションの説明
・組織(部署)の役割の説明やメンバーの紹介
・業務を覚えるためのトレーニングや研修
などがあって、弊社でもこれらがきちんと用意されていました。素敵。
これらはカスタマーサクセスとしてユーザーや顧客のオンボーディングを行うときと非常によく似た取り組みなので、全く違和感はありませんよね。
私も前職の頃から「どのようにすればサービスの理解を深めてもらえるか」とか、「何をすると継続率が高まるのか」といったようなことを試行錯誤してきましたから、そのあたりはもちろん心得ています。自負。
しかし、入社から1ヵ月が経ち「割りと早く組織に馴染めてきたな」と感じると同時にふと思ったのです。
「あれ?なぜ自分は馴染んだと感じたのだろう?」
そこで気付いたのは「歓迎の力」でした。
当たり前すぎるけど、歓迎されるとすごく嬉しい
組織が目指す方向性を伝えたり業務に必要な知識のトレーニングを行うことはもちろんだけど、そのプログラムに明記されない「歓迎の力」が私を助けてくれたのでは?と感じました。
具体的には下記のようなことがありました。
・入社前なのに、締め会や忘年会に呼んでもらった
・入社初日に「おめでたう〜」のメッセージをもらった
・日報に対してたくさんのコメントやSlackの絵文字が届く
・ボードメンバーや他部署の人とのランチの機会が用意されていた
・お酒を飲めるスペースがあって業務後にみんなと軽く飲んだりした
・社内で使われる独特な用語をまとめた社内用語集が存在する
などなど
些細なことかもしれないけど、こういったイベントや出来事の節々に組織や仲間から「歓迎されている」ということを感じました。
ふと振り返ると、この歓迎は入社したばかりの自分にとってとても大事な体験で、自然と物事をポジティブに捉えていく力になったと思うのです。
このあたりを真剣に考えていくと「コミュニケーションの設計」や「コミュニティの作り方」みたいな話に繋がっていくだろうけど、まずは「自然と人をポジティブにする言葉や出来事の存在」というものに目を向けると良いのかなと思いました。
そして、これまで自分が試行錯誤してきたお客様向けのオンボーディングの取り組みには、この「歓迎の力」のようなポジティブな要素が足りていなかったのではないかと、当たり前の何かが欠けていたのではないかと感じ、反省しました。
この一語一句に手間ひまをかけていく
今いる組織が掲げるValue(価値観)の一つに「一語一句に手間ひまかける」というのがあります。
これが非常に良い価値観だなあと思っていて、自分が手間ひまかける要素の一つに、この反省を活かすことにしました。
目には見えないかもしれないけど、相手がポジティブになるように思いを込めてやっていこうと。
そして、入ったばかりの私を快く歓迎してくれた組織、チームのみんなに改めて感謝を伝えたいです。アザムシ。
さあ、2ヵ月目もさらに馴染んでいくぞい。
※Photo by Mabel Amber from Pexels