カスタマーサクセスで顧客セグメントのレンジを変更するときの話
こんにちは。カスタマーサクセスをしております稲船と申します。
写真は先日、釣りをしたときの海です。
カスタマーサクセスの顧客セグメント(テックタッチ・ロータッチ・ハイタッチ)は新しい話ではありませんが、このTierのレンジを変更する際にどのようにするべきかという話についてはまだ情報が少ないように思います。
事業やカスタマーサクセスのフェーズが変わってくるとそれに応じてTierのレンジも変更していくことになるのですが、私が所属するSmartHRでも2019年に入ってからの半年で既に2回ほどレンジ変更を行なっていて、ロータッチとハイタッチの間にミドルタッチを設けたりもしています。
サービスレベルを落とさずにレンジを変更する
Tierのレンジを変更すると、これまでハイタッチに該当していた顧客層がロータッチのゾーンに入るというようなことが発生しますが、それによってサービスレベルが変わってしまうことを許容してはいけませんよね。
お客様からすれば我々が定めたTierなど何の関係もなく、支払っている対価と同等のサービスが提供されるべきです。
しかし、事業が成長しフェーズが変わってくるとサービスの質を維持向上させながら体制も整えていくことになるため、どうしてもTierのレンジ変更を行う必要が出てきます。
その時にいかにサービスの質を落とさずに素早くレンジを変更できるかどうかが重要となってきます。
レンジの変更に欠かせない要素
Tierのレンジ変更は、カスタマーサクセスの部署だけで行えるものではありません。レンジを変更すると、これまでお客様を訪問して対応していたようなことも、以後は訪問せずにオンラインで対応することになるなどの相違が生じてきます。
サービスの質を維持する前提であってもCSMの対応方法が変わってしまうため、契約前のセールストークや説明資料の変更が必要となってきます。
そのためマーケティングやセールス部門との認識合わせと緊密な連携が欠かせません。もちろん既存顧客においてはCSが責任を持って対応することは言うまでもありませんし、移行期間も必要となります。
Tierのレンジ変更の対応が遅れてしまうと、CSMのリソースが不足し、顧客対応の質が落ちることによるトラブルが発生する可能性が高まります。そして一度後手を踏んでしまうとリカバリーが難しい状況となり、事業の成長にCS組織が着いていけなくなるという事態に陥りかねません。
そうなる前に各部署とのリレーションを強化し、サービスの成長予測から予めレンジ変更を計画に盛り込んでおくことが重要となってきます。
弊社でもレンジを変更した際の顧客ボリュームのシミュレーションを行い、無理なく対応できるかをチェックしています。
まとめますと、適切に素早くレンジを変更するためには下記のことが必要となってきます。
・関連部署との緊密な連携体制を構築しておくこと
・サービスレベルが急変しないようボリュームゾーンのシミュレーションを行なうこと
・成長予測から事前にレンジ変更を計画しておくこと
現時点でTierのレンジ変更を考えていないという場合でも、予測を立て、Tierの変更をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
お知らせ
明日(2019/8/9)開催の「日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! Japan Customer Success Community(JCSC)#10」にて、弊社執行役員・VPカスタマーサクセスの高橋がCSの取り組みについてお話をさせていただく予定です。
当日は私も会場にいますので、みなさんとCSの話ができれば嬉しいです。もしよろしければぜひお声がけください。