エリザベス女王杯

⭕️  本命シンティレーション

 時代と共に底力戦から瞬発持続戦にシフト。
それに伴い、近年の前哨戦は2,000m以上組ではなく府中牝馬組が席巻しています。

 3F目~坂頂上までの区間が緩く、
下り坂から長く速く走れる持続力
鋭角4コーナーからの再加速力
平坦直線でのトップスピード
が重要です。


ここからは、前哨戦の各馬の個別ラップをもとに、各馬を評価していきます。


府中牝馬S

個別ラップ

 レースラップが1F目以降全て12秒未満だった(格)のは、GⅡ昇格後4例目のハイレベル戦。うち京都開催の2例はいずれも優勝馬を輩出しています。

🥈シンティレーション
 ここに出れば1番人気だったであろうブレイディヴェーグと差のない競馬。テンの差が勝敗を分けただけで、後半1,000mのラップ推移は同等でした。

圧巻はラスト2ハロンの10.7-10.9グラフの傾きが突出しています。2走前から走りに躍動感があり、充実度とここにも繋がる実績から本命です。

ルージュリナージュ
モリアーナ
 シンティレーションとは、全体的な位置取り・加速力・トップスピードが同等でしたが、ラスト1ハロンの踏ん張りで大きく突き放されました。この持続力の差は、格の違いに相当すると見て狙いを下げます。


新潟牝馬S

個別ラップ

 雨が残るパワー要求の良馬場。クッション値9.2。加えて、秋の新潟2,200m戦で前半1,000mが史上最速の前傾持久力戦となりました。

🥇ホールネス
 自身は後傾ラップでラストは減速せず。マーメイドS含め、優秀な持続力の持ち主です。ただ、かなり重いですね。10秒台のトップスピード実績はなく、雨がほしかったです。


ローズS

個別ラップ

 中京連続開催Bコース初週。クッション値9.1の稍重。セキトバイーストの速くない大逃げ。3番手ラヴェンダが1,000m62秒程のスロー。

レガレイラ
 逃げ馬と上がり差2.7秒。それでも交わせない前残り戦なら、当然巻き返し可能とみます。後半の加速力・トップスピードともに最上位です。

 課題は13秒を切ったことがないスタート。ルメールの継続騎乗でもテンのスピードに変化がないのは嫌ですね。


クイーンS

個別ラップ

 計測史上最低のクッション値6.2。
 日中は稍重まで回復しましたが、初週からの高速馬場は影を潜めました。前半スローからのラスト5ハロン中速持続戦です。

スタニングローズ
 斤量1kg差はあれど、格下のコンクシェルを交わせないのは辛いですね。最近は、ラスト1ハロンの減速が目立ち、その結果が馬柱にも現れています。


新潟記念

個別ラップ

 アリスヴェリテのハイペース逃げ。クッション値8.8でやや重め。

 中盤が急流かつ速めスパートで、全体的にラスト1ハロンの失速が大きくなりました。結果的には、2頭だけの距離延長組が連対しています。

🥇シンリョクカ
 このメンバーなら、相対的にテンが速く安定して位置が取れます。代わりにラスト1ハロンが甘めで、勝ち切れないレースが続いていました。前走は、実質逃げの解放感と、中盤追走力のない後方人気馬の破綻によるものという見立てです。


隊列想定

近走1ハロン実績

 逃げ想定コンクシェル
 中盤を緩めないタイプの逃げ馬です。
近年のエリザベス女王杯は3ハロン目から12秒後半で推移することが多いですが、そこまで緩むことはないでしょう。1,000m通過60.5〜61.0ほどをイメージしています。

 番手スタニングローズ
 Cデムーロの存在も大きいです。強い馬・強い騎手が番手の場合、相対的に前への意識がペースを緩めさせません。


⭕️本命シンティレーション
 府中牝馬Sのパフォーマンスは、フロックでは片付けられない素晴らしいものでした。中盤の速さは、さらなる格上げ戦へのポテンシャルを示します。また、ラスト2ハロンのトップスピードと持続力は、距離延長への耐久力を予感させます。


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