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【ダナン旅行記🇻🇳】1日目:ポカリスエットよ永遠に
アジアの楽園、ベトナム・ダナンを訪れた。
2024年9月17日〜22日の4泊5日の日程。
ここに旅のことをちょっと記録してみることにした。
私は旅行へ行くとその場の風景を目に焼き付けるのに必死で撮影を忘れる特性がある。
という訳であまり写真がないものの、沢木耕太郎「深夜特急」ばりの文章力を発揮できるよう頑張るので、ご了承願いたい。
皆様には、チープな旅行小説だと思って気軽に読んでほしい。
旅の始まり。
私と妻と友達夫婦の4人でダナンに行くことになった。新婚旅行も兼ねて、ということで前々から秘密裏かつ公に計画していた。
ダナンはベトナム中部最大の都市で、“ベトナムのハワイ”と言われている美しいビーチが魅力。物価も安く食べ物も美味しい。まさにハネムーンにはピッタリの場所。
各々仕事を片付け休暇取得ミッションはコンプリート、旅行計画実行の日。
ダナンへの直行便は成田から1日1便出ているのみ。9:00発、現地時間12:40着の、VN319便。Vietnam Airlinesの、なんともちょうどいい時間帯である。
我々は北の果て、北海道在住なので、早朝便に乗る場合は成田にて前泊となる。空港近くの前泊特化型ホテルで夜を過ごす。特化型だからといってなにか特別な設備があるわけではないのだが、値段が一人一泊2,000円程度と、この物価高騰の時代に大阪市西成のドヤぐらい安かったのが決め手となった。ハイシーズンのドヤのほうがもしかしたら高いかもしれない。ドヤにシーズンによる価格変動が存在するのかは、私の知るところではないのだが。
無事新千歳から成田へ到着。ホテルへのシャトルバスを待つ。
同じバス停で別のバスを待っていたおじさんに、「東京はずっとこんな暑さですか?」と話しかけられた。色々話を聞くと、今日北極圏から帰ってきて、オーロラの撮影をしていたそうだ。そんな方に東京の暑さは相当堪えるだろう。
今年は太陽フレアが原因でオーロラが出現しやすいそうだ。だが逆にそういう年は各地で異常気象が起こりやすい、という話を聞いた。オーロラと世界の気象との間にそんな関係があったのかと膝を打った。
気温は30度以上あったのだが、彼は薄手のフリースにトレッキングパンツ、トレッキングシューズという出で立ちであり、大きなスーツケースと、北極圏仕様の極厚ダウンを小脇に抱え、その場を去っていった。おそらく手持ちの服の中で一番涼しい格好なのだろう。
いいTシャツが入手できていますように。
バスには、酩酊状態で痩せ型の男と威勢の良い女のカップルが乗っていた。年齢は50代くらい。両方金髪で、派手めな服を着ていた。男は女に怒鳴られながらバスに搭乗していた。
女のほうが、通路を挟み隣に座っていた中華系の女性客と仲良くなっており、降車後にはハグをして今生の別れを惜しんでいた。すごいコミュ力。これから同じホテルに泊まる同志なのだからメシにでも行けばいいのでは?という勢いであった。
一方、男の方は何かが原因でまっすぐ歩けないほどの酩酊状態となっていた。酒が原因ではなさそうだった。となると悪いおくすりの類なのだろうか…と推察し、それ以上考えるのをやめた。
20分ほど走り、ホテルに到着。客は外国人が多く、特有の甘ったるい香水の香りがロビーを占拠していた。皆さんお疲れのご様子。
チェックイン時に在留カードのコピーを取りたいという中東系のフロントスタッフと、そんなことは今まで言われたことがないと主張する中華系の旅行客がモメていた。果たして彼らは無事前泊することができたのだろうか…。
我々は夕方にチェックインしたのだが、ここで事件が発生。
部屋に入るなり妻がベッドに倒れ込みぐったりしてしまった。はじめは旅の疲れかと思ったが、体温を測ると39度の高熱…。
喉の痛みや鼻水、頭痛はないとのことで原因不明のため、ひとまず持参した解熱剤と葛根湯を飲み寝込んでもらう。一時的に解熱はできたが、根本的な問題解決には至っていない。薬でなんとかなる性質の体調不良ではなさそうだったので、私は頭をフル回転させた。PSPでUMDをロードしている時ばりの処理音が鳴っていたと思う。
そして、幼少期に発熱したときのことを思い出した。よく風邪をひくと病院で点滴を一発打ってもらい、元気を取り戻していたときのこと。
ただ、病院はすでに診療を終えている時間。本人は倦怠感で動けない。
その時だった。
—ポカリ、のまなきゃ。
頭の中で吉田羊と鈴木梨央が私に問いかけてきた。
“飲む点滴”を目指し開発されたポカリスエットなら、点滴と同じ効果を得られ、回復ができるのではないか…?
誰でも思いつくシンプルな解であることは明白だが、今、頼れるものはポカリしかない。
私は最寄りのマックスバリュへ急いだ。ポカリと、妻が希望したうどん、私が食べる助六を購入し帰路へ。翌朝までに500ml×4本の完飲をミッションとして妻に課した。
同時並行で、もし旅程をキャンセルし、帰る場合に空席があるかのチェック、明日宿泊するホテルのキャンセルポリシーを確認し、万一に備えた。友人夫婦にも、最悪二人で行ってきてくれと伝えた。二人は私に、少し離れたイオンで買ってきてくれたパンをくれた。あのポテサラのパンの味は、今後も忘れることはないだろう。
また、ただでさえ湿度の高い成田の夜に似つかわしくないほど高出力で加湿器をつけた。ポカリを買った足でフロントに毛布と加湿器を借りに行ったから、「あ、この部屋の人体調悪いんだな」というのはバレていたと思う。
やれることはやった。あとは妻にぐっすり寝てもらい、明日の回復を祈るのみだ。我々は無事出国することはできるのだろうか。頼む、大塚製薬。妻を救ってくれ…!!ここを耐えれば、ダナンに行けるんだから…!
次回「城之内死す」デュエルスタンバイ!