【ASD】自分の気持ちを把握するトレーニング

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良い作品だったー。



昔からちょっと変わった人がおもしろみがあって好き。
小説においても、一風変わった登場人物が主役の物語が好きだ。

これは、単におもしろい人が好きなのか、
自分も変だ変だと言われてきた仲間意識なのかわからないが。

いや、わかる。


後者だ。


主人公は往々にして周りから変人扱いをされているが、なんだかその主人公の気持ちや行動を理解できるし、共感できることが多い。

(ここからは少しネタバレかもしれないので注意)


この作品では、主人公の感情のわからなさ加減にすごく共感した。


自分も、本当に自分の感情がわからない。

身体は素直で正直で、すぐに何かしらのリアクションをする。

涙が出るとか、息がしづらくなるとか、瞼がぴくつくとか。

一般的に、涙が出るというよくある感情表現でさえも、悲しい時なのか嬉しい時なのか、はたまた怒りなのか、色々な感情を表現している。

だから、もし自分が涙が出たとしても、なんでだろうって思う。嬉しいのか悲しいのかもすぐにはなかなかわからない。

だから会話をしている相手に、どうしたの?どうして泣いてるの?と聞かれても、どうしたのかね?っていう感じ。

もはや、聞いてみたりする。

感情を聞いてくれるのは自分の感情を把握する良いトレーニングになっているので、パートナーには感謝している。


「悲しいのかな?」って、聞いてみたら


「嬉しいんじゃない?」って、教えてくれたりする。


ありがたい。

涙って、悲しい以外もあるんだった、そうだそうだ。


会話しながら、感情の仮説を充てていくと、それは70%当たってるとか、10%しかあってないとか、分析の物差しになる。

自分一人でやると10%くらいを彷徨っちゃうけど、70,80%の仮説を充ててくれるパートナーがいるので、するするっと100%に近い形で理解することができる。

70%が嬉しいんだとしたら、残りの30%を考えればよくて、しかも嬉しいことが分かれば、嬉しい理由には覚えがあるから、その覚えを利用して残りの30%を推測できる。

そうやって感情の旅をしながら、自分の気持ちを捉えている。


この本(↓)にも、「自分のことはわからない感じがするけど、自分の感情とか好きなことやりたいことは自分のものなんだからわからないわけがない」的なことがかいてあった。

自分の気持ちはわからないで済ませてたけど
ちゃんと分かる にしないと、自分を幸せにできないなって思ったので、把握するトレーニングをしている。



感情を自動でわからないからこそ、
感情を、意識的に棚に格納している。

一度把握してしまえば、また取り出せる。

思い出のように、あの時に獲得した感情だって、懐かしくなりながら取り出す。

しかも棚の中に新たな感情が入ると、
新たな照明をゲットしたかように、世界の見え方が変わる。
見えなかったものが見える。

この感覚も、この主人公と同じように、世界の見方はより美しくなる。


例えば、見えなかった「人と人の間にある幸福」を見えた時にすごく感動した。良いねって微笑ましくなる。


周りの人が、人々を見て微笑んでるのにもまた共感できるようになる。


自分の感情を知るのはとても難しいけど、
とても喜ばしいこと。


物語を通して、心のジャーニーのプロセスを捉えられてよかった。


だが、疑問は残る。

主人公は幼少期の特殊な環境により、感情のジャーニーを大人になってやっている。

私は?なんでだろう?

同じ境遇の姉妹は、人並みに感情がわかる。

ASDグレーゾーンだから?脳の構造?

よくわからないけど、いったんASDのせいにしておこ。

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