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尼崎市長時代の実績②「治安の改善とイメージ向上」

 尼崎市はかつて工業都市として栄えた一方、公害などの問題により、よくないイメージを持たれることもありました。しかし、この10年あまりで尼崎のイメージは劇的に改善し、2022年には6割を超える市民が「まちのイメージが良くなった」と回答するまでになりました。今日は、その取組について、お伝えしたいと思います。


シティプロモーションの展開

 2013年から尼崎市では「あまらぶ大作戦」と題したシティプロモーションを展開しました。シティプロモーションとはまちの魅力を高め、それを発信することにより地域のイメージを向上させ、地域への愛着形成やまちの活性化を図ろうとする取組です。
 この「あまらぶ大作戦」では「尼崎を好きな人(=あまらぶな人)と出会うことが、尼崎を好きな人を増やすことにつながる。」を基本理念に単に市の情報を発信するということだけでなく、全庁的に市民や事業者、団体の方々と市の魅力向上の取組を図ってきました。
 この取組は全国的にも高く評価され、2021年には「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS ブロンズ賞」、「PRアワードグランプリ ブロンズ賞」と「シティプロモーションアワード 金賞」を受賞するにいたりました。

暴力団事務所ゼロへ!

 尼崎市では2013年に暴力団排除条例を定めました。この条例は市の取組について定めるとともに行政と市民が連帯して暴力団対策に取り組むことが謳われています。また市民等が行う暴力団排除活動や暴力団事務所使用差止訴訟の費用などを支援するため「尼崎市暴力団排除活動支援基金」を設置しました。
 2020年には全国初となる市による暴力団関連施設の買取も実施しました。この施設は暴力団関係者の自宅として利用されていましたが、銃撃事件などがあり、付近住民からも強く不安を訴える声が上がっていました。市による暴力団関連施設の買取にあたって兵庫県弁護士会民事介入暴力対策委員会にコンプライアンス上の問題の有無について諮問するとともに、買取価格についても暴力団への利益供与とならないよう不動産鑑定士による評価等も行いました。
 これらの取組により、2022年、市内から暴力団事務所がゼロになりました。これは市だけの取組ではなく、市民と市が連携し、地道に活動を続けてきたことの成果だと思っています。

違法風俗街「かんなみ新地」の解体

 尼崎市にはかつて「かんなみ新地」と呼ばれる違法風俗街がありました。約680平方メートルの敷地に30以上の違法風俗店が軒を連ねていました。この風俗街の近隣には小学校などもあり、周辺住民などからも対策を求める声が相次いでいました。
 そこで2021年11月に尼崎市と兵庫県警が連名で警告書を各店舗に発出し、各店舗は一斉に閉店することとなりました。その後、違法営業が再開されることがないよう店舗の土地建物は市が買い取ることとし、現時点で大半の土地建物の取得が完了しています。
 もっとも単に違法風俗店を閉鎖させるだけでは、問題の本質的な解決にならないことから、そこで働く女性や店舗の経営者に対する就労支援などのサポートも同時並行で実施しました。

官民連携で犯罪も激減

 尼崎市は街頭犯罪などが多いことが課題となっていました。そこで私が市長就任後から官民連携でまちの治安を改善するための取組を実施しました。その主な取組は下記のようなものです。

  • 市民や市内の店舗、企業などに事件や事故があった場合に防犯カメラやドライブレコーダーの映像を提供してもらう「あなたを守り隊」への登録を呼びかけ。

  • 統一の「あなたを守り隊」のステッカーを作成し、協力いただける個人宅や店舗、自動車などに掲出し、市全体で防犯に取り組む姿勢を可視化。

  • 青色の回転灯を取り付けた公用車が「青色防犯パトロール」として市内を巡回。(2022年度はのべ28355回)

  • 防犯カメラ設置に補助金を交付するとともに、可動式防犯カメラを導入

  • 自転車盗難リスクの高い自転車に「警告タグ」を取付。

  • 自転車盗難防止のため振動感知型セキュリティロックを試験導入。

  • 特殊詐欺対策のため自動通話録音装置を貸し出し

  • ひったくり現場に警告の表示を掲出。 などなど

 これらの取組により2012年には1万件近くあった刑法犯認知件数が2021年には3800件近くになり、62.6%の減少に成功しました。

出典 尼崎市ホームページ「尼崎市の犯罪状況詳細」

6割以上の市民がイメージがよくなったと回答

 これらの取組のほか、駅前周辺の再開発や民間資金によるハード整備、子ども子育て政策の充実などによって、「尼崎市のイメージが良くなった」と回答する市民の割合は2018年から5年連続で50%を超え、2022年には60.5%となりました。

着実に転入超過へ

 イメージの向上にあわせて転入者の数が転出者を上回る「転入超過」の状態になってきました。2016年からは転入超過の状態となり、2018年からは転入超過数が1000人を超えるようになっています。同年には民間企業が選出する「本当に住みやすい街大賞2018 in関西」で尼崎が1位に選ばれ、かつての工業都市はいまや住宅地として「選ばれるまち」になってきています。 

出典 尼崎市「尼崎人口ビジョン」2023

市民とともにやってきたことの成果

 私が市長着任後からの取組について書いてきましたが、これらの成果は決して行政だけでは成し遂げられなかったことです。尼崎市のイメージが格段に向上したのも、尼崎を愛し、尼崎のまちの中で様々な取組をしてくださった市民の皆さんのおかげです。暴力団事務所がゼロになったのも、犯罪が大幅に減ったのも、地道な取組を続けてこられた市民の皆さんの成果です。
 私はなにごとも「市民とともに」行っていくことが大切だと考えています。県政においても県民とともに課題解決に向けて、取り組んでいきたいと考えています。


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