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学級委員長だった僕が、唯一説教された日。
僕は中学時代、先生に説教されることなんて、ほぼありませんでした。常に学級委員長をしていて、クラスのために尽くすタイプの生徒でした。
そんな僕も、中学3年生の時に一度だけ説教を受けたことがあります。
それは国語の授業のとき。国語の授業を担当していた女性の先生が、クラスのみんなにこうききました。
「このクラスにさ、昨日のラジオにメール送った人いる?」
僕はドキッとしました。その正体は僕です。当時の僕は、毎日地元のラジオ局にメールを送り続けていて、そのメールの内容は、クラスで起きたことを中心に扱っていました。
僕がメールを送ったと名乗り出ると、先生は喜んでいました。
「やっぱり(笑)。昨日の話、このクラスっぽいなって思ったんだよね。すごく面白かったよ、給食当番の話(笑)」
僕は、聴いてもらえていたことが嬉しかったので、素直にお礼を言いつつも、そのメールの詳細を、ラジオを聴いていないみんなのために、もう一度話しました。
僕が送ったメールの内容は、同じクラスの女子・江東さんと僕とのエピソードです。
僕は当時、給食当番でもないのに給食当番をしていました。その理由は、サボる人がいるからです。何を隠そう、江東さんが最もサボっていました。
それなのに、平然とした態度で自分の給食の配膳を行う江東さんが、僕の目の前に来ました。僕は、江東さんがサボっているについて、今更何か言うつもりはありません。
しかし、江東さんは僕の前でこう言います。
「なんで給食当番やってるの? お前当番じゃないだろ?」
まぁ、確かに当番じゃないのですが、あなたがやらないからやってるのです(笑)。それを今更ストレートに言っても仕方ないので、僕はテキトーにあしらおうとしました。
「誰もやっている人がいなかったから、俺がやっているんだよ」
僕は、この言葉とともに、江東さんに自分が当番をサボっている自覚を持って、多少の反省ぐらいしてほしいと思いました。しかしながら、江東さんはこう返します。
「カッコつけんなっっっ!!!!!!」
えっ!? 俺は今、カッコつけたの?(笑)
っていうか、お前だけにはそんな暴言を吐かれる筋合いはないんだよ(笑)。なんだよ、コイツ。
その怒りを何とか笑いに昇華しようと思った僕は、この一連の話をラジオ局に送り、その日の最優秀メールに選ばれました。
そして、この話を教室内で話すと、クラスのみんなは大爆笑。
しかし、それを聞いた江東さんは、泣き出してしまいました。
えーーーーーーーーっ!? なんでなんでなんでなんで?
いつも気の強い江東さんの涙を見たのは初めてでした。僕は焦って、「名出しはしてないよ!」「面白い話なんだよ!」「江東のおかげで、食事券までもらえたよ!」とか言って、フォローするも無意味。涙は止まりません。
そして授業が終わり、僕は先生に呼びだされました。職員室のカーテンは締められ、先生と一対一になって説教が始まるようです。
先生は僕に言いました。
「君はね、女心が分かっていない」
オンナゴコロ!? さっきの場面のどこで女心をよめというのだ?
僕は全く分かりませんでした。「ラジオにメールを送ってほしくないってこと?」「暴言を吐かれても、黙っておけってこと?」「そもそも女心ってどういうこと?」など、先生にいろんな質問をしました。
先生は「やっぱねー、女心が分かってない」と返します。
だから、それが分かんねぇんだよ! っていうか中学生って、先生に女心が分かっていないことで説教を受けるのか。女心が分かっていないって、指導対象になるんだな。いろんなことを学びました。
そして、先生に説教された話をまた、ラジオに送りました。
こうして、同じことを繰り返している僕は、多分、女心を理解してないんだと思います。
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