文化をつくる人からの学び #ジソウラボ合宿Day2
こんにちは、ジソウラボのミノです。今回は2024年7月末に実施した、ジソウラボの経営合宿についてお伝えします。
合宿二日目は、山梨県甲州市塩山の福生里(ふくおり)にある「98WINEs」ワイナリーと「Stay366」ホテルを訪れ、地場産業であるワインづくり文化と土地について深く学びました。
今回のレポートでは、写真を中心にその記録をお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
武田神社への朝ランを経て出発!
合宿二日目の朝、9時に集合し、ガソリンを入れてから車で山梨県へ向かいました。みんな前夜は日付が変わるまで飲み歩きながら話し合っていたので、二日酔いのままチェックアウト。重い身体を動かしながら車に乗り込み、目的地の福生里へと向かいました。
98WINEsワイナリー訪問
福生里に到着すると、まず目に飛び込んできたのは田畑や果樹園に囲まれた中に立つモダンな和テイストの醸造所「98WINEs」。98WINEsは、平山繁之さんが3年前に立ち上げたワイナリーです。平山さんは国内外で40年にわたりワインと付き合ってきた経験を持ち、メルシャンや勝沼醸造などで醸造責任者を務めてきた方です。
ジソウラボの自己紹介
まずは私たちジソウラボの自己紹介から始まりました。ジソウラボは「つくる人をつくる」というビジョンを持って活動しており、地元出身の経営者7人がそのビジョンを共有しています。この日、平山さんにジソウラボの活動を紹介する時間もいただきました。平山さんから「僕があなたたちから、いろいろ学ばせてもらいたい」という言葉をいただき、初対面ながら、地域を愛する者同士、大切にしている想いへの深い共感を得ました。
ワイナリーの紹介と視察
平山さんから早速、ワイナリーを紹介していただきました。平山さんが98WINEsを立ち上げたのは、単にワインを作るだけでなく、ワインを通して世界中のあらゆるジャンルの新しい友人とジョイント、コラボレートし、ワインの持つ力を創造していく場所を作るためでした。
98WINEsという名前には、世界の人たちとの出会いによって、不完全な98が100にも200にもなれるという意味が込められているそうです。
土地との出会い
ワイナリーに隣接する葡萄畑を平山さんに案内してもらいました。この場所はもともと耕作放棄地だったそうですが、平山さんの40年の経験が随所に生かされています。
平山さんが、「福生里は通り過ぎる場所でもなく、目的がなければ辿りつかない場所なんです」と話してくれました。たまたま通りがかった時、富士山が目に入ったそうです。車を降りて、しばらくその富士山に見とれていた時に、ボロボロの木造の建物に気づいたとのこと。
それが使われていない福生里の公民館でした。「かつては地域のみんなが集まっていた場所で、今までに見たことのない富士山の美しさに心を奪われました。この場所でワインが造れたら幸せだろうなと思ったんです」と平山さん。「その強い想いがひとつずつ形になって、98WINEsがこの場所から始まりました」と語ってくれました。
醸造所の見学
醸造所の建物は、醸造を行う鉄の棟、貯蔵を行う石の棟、仲間が交流する木の棟から成り立っています。鉄の棟は黒、石の棟は福生里の景観を作っていた石垣を用いるなど、周囲に溶け込む作りになっています。晴れた日には富士山を眺めることができるそうです。
ワイン作りの哲学
平山さんは「ワインは土地文化のお酒」と語ります。ワイン作りは技術ではなく、土地と文化が作り出すものだと考えています。「私は、ワインは世界一の作り手になろうとは思いません。ワインは場所の文化であり、人間が作るのではなく、場所が作ってくれるものです」と平山さんは強調していました。自分たちは何もしなくても、他の地域よりも優れたものができる場所文化が重要だと語りました。
ホテルSTAY366の見学
福生里には「98WINEs」と共に、クラフトビールの醸造所「98BEERs」と「Stay366」というホテルもあります。数十年間使われないまま、東京の保育園が夏の保養所として所有していた建物をリノベーションした「98BEERs」と「Stay366」がありました。
「365日の日常の、1日先にある非日常が体験できる」として名付けられたStay366は、一階がクラフトビールの醸造所、二階が宿泊施設となっている二階建ての建物です。
広々としたそれぞれの部屋にはよく吟味された家具が置かれ、室内にはテレビも電話もありません。調光式の照明で部屋の明るさが自由に調整できるようになっている一方、窓からの景色の見え方まで計算し尽くされた陰影の工夫には、思わずため息が出ました。
視察を終え、私たちは地域の未来についても話し合いました。私たちジソウラボも、まだまだ学び続け、地域の未来を創っていきたいです。
参考記事