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木佐の高校時代


僕は高1の終わりに入賞特典の図書カード欲しさに大阪市の漫才で本を紹介する「書評漫才」という大会に出場しました。
芸人になりたいどころかお笑いが好きな自覚もそこまでなかったのですが
(のちにオールザッツ漫才を小学生からリアルタイムで朝まで見ていたのは異常なことを知る)、同級生の男子を誘って出場しました。

その時の相方は典型的なクラスのお調子者という感じで、高3の時はちゃんと応援団の団長をやっていました。
運動やダンスも出来て、歌も上手くてギターも弾けてみんなから好かれているようなやつだったのです。
(中3の頃に好きな子にカラオケでUVERworldのバラードの曲を歌ったら涙を流して付き合えたと言っていた)

そいつを誘ったのは人前で話せそうという理由と
運動も出来たのに敢えて部活には入らないやつだったので、
新入生の生徒全員が1度は何かの部活の体験入部をしないといけない校則の学校で
最後までごねて体験入部すらしなかった僕と同じで放課後の時間に余裕があると思ったからです。

人生で初めてのネタ作り。
どうしていいのかわからず僕はわかりやすいコント漫才を作ることにしました。
その中で相方が得意なダンスを取り入れたボケを混ぜたり、なぜかコンビニ強盗のネタなのに冒頭で宇宙人に関する雑学を話して、最後のオチでそれを回収して「お前宇宙人やったんかい!もうええわ!」という強引すぎる伏線回収も混ぜました。

結果、なぜかそのオチが大ウケして僕らは準優勝で無事に図書カードをゲットしました。

「あれ?漫才するの向いてる可能性があるな…」と思ってしまいました。

週明けの月曜日、大阪市のキチンとしたイベントということもあって全校朝礼で僕らは表彰してもらえました。
僕は運動も芸術系も恐ろしく何も出来ない人間なので、高校生の僕にとっては初めてスポットライトが当たった瞬間でした。

高揚感に包まれていたのも束の間、イケイケのサッカー部の先輩たちが「〇〇(当時の相方)がおもろいだけやのに横におるだけで表彰されてんのラッキーよな」と僕を揶揄しているのが風の噂で耳に入ってきました。

確かに僕はわかりやすい面白さを全く兼ね備えてないからネタを作ってたとしても知らない先輩からしたら横にいるだけのカカシみたいなもんか、と落ち込んでいました。

覚えとけよ俺の方がお前ら全員より面白いんじゃ。この学校なら1番おもろいのは俺やねん、と陰キャラのくせに「べしゃり暮らし」の上妻みたいなことも思っていました。

なぜかそこには心の声なのに本音と建前が存在していました。

それから面白いと思わせるために生徒会選挙で1人だけ応援演説の友達を呼ばずに、ポケットから出したパペット人形に応援演説させて体育館を信じられない空気にして図書室の司書の先生に「2人で喋ってるみたいな掛け合いですごかったね」と慰めてもらっていたりもしましたが無かったことにしていただいて大丈夫です。

そこから高2でその相方とハイスクールマンザイに出場して最初の近畿地区予選で優勝して準決勝進出しました。

割とガチで大会に真剣に取り組んでいるやつらでグループが自然と出来上がっていくのですが、その中に中学の同級生と出場していた現在の相方である知人の女性がいました。

当時から自分のことを「ちろる」と名乗っていて、高校生の僕は「芸名つけてるやん!?」と驚きました。
(現在38期の相乗効果というコンビが同い年で出場していてネタの冒頭で「こういう仕事やらせてもらってると…」という高校生なのにお笑い芸人が本業であるかのようなネタの入りをしている時も驚きました)

僕たちもちろるのコンビも「サイクロン」という今は東京で4年も後輩になってしまった2人が組んでいた先輩コンビに敗れて準決勝で敗退しました。

そこで相方が留学の勉強に専念するということでコンビを解散した僕は途方に暮れていました。

そして相変わらず生徒会選挙ではすべり続けていました。

高3の夏、同い年で交友のあったちろるが相方を募集していたので声をかけてハイスクールマンザイに向けてコンビを組みました。

(お金に困った時に「ヒロイン失格」と「きょうのキラ君」の少女マンガ全巻セットを買い取ってもらう交友関係)

完全に優勝を目指していたので準決勝も突破し、
決勝進出できました。

その時に真っ先に思い浮かんだのは僕をバカにしてきたサッカー部の先輩たちでした。

これでやっと見返せる!相方が誰でもいけるんや!と思っていましたが、普通に先輩なので卒業していました。

そしてハイスクールマンザイ決勝前日がたまたま文化祭で、体育館の出し物をするステージで次の日に決勝でやるネタをやりました。

1つ前の満員だったミュージカルが終わって7割のお客さんが帰って、残ったお客さんの前で全力でやって普通に信じられないぐらい外しました。

スベるというより外しました。

YouTubeにある「十三ロッカー 漫才 バイト」という文化祭で漫才をする動画みたいなウケ方を想像していたのに。

明日の決勝の練習があるから、と周りとは違うアピールをするために高校生活最後の文化祭なのに早退しました。

早退したものの、ちろるとの待ち合わせには時間がまだあったので1人で長居のケンタッキーで過ごしました。
(たぶん人生2回目ぐらいのケンタッキーに明日賞金貰えると思っていたので贅沢しました)

ケンタッキーで数時間待つことになったので、こんなことなら文化祭にいとけばよかったと思いましたがよく考えたら特に居場所もありませんでした。

次の日、ハイスクールマンザイ決勝のなんばグランド花月でウケて優勝しました。

普通逆やろ。
どんだけ学校にハマってないねん。

ハイスクールマンザイ決勝当日の僕です。

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本来ならこんな人間が誰かを笑わせることなど出来ないはずなんですが、奇跡的に優勝できました。

ちなみにこの服装はダイヤモンド小野さん(当時はアルドルフ)が載っていたTwitterの写真を見て着ています。

これは今まで誰にも言ってなかったはず。

そして高校時代から今に至ります。

今では書評漫才とハイスクールマンザイそれぞれの決勝でOB・OGゲストとしてネタをさせてもらえているのでありがたいです。

あの時のサッカー部の先輩たちに僕と同じ学校なことを自慢してもらえるように有名になりたいです。

読んでいただきありがとうございました。
マンゲキリレーコラムに掲載した記事ですが
頑張って2時間半かけて書いたので埋もれるのももったいないと思い、僕のパーソナルな部分を知ってもらうためにも、noteに掲載させてもらいました。

あとおまけとして今月の給料をつけておきたいと思います。

こちら初めての試みなのですが、僕の最近のミニルールとして「告知以外のTwitter更新を意識すること」「単独終わり以外もnoteを更新すること」をこっそり掲げており、noteの更新頻度を上げるために毎月の給料を発表していこうかなと思いました。

気になる人は気になると思いますし、僕みたいなうんおし(うんちおしっこ)を応援してくれてる方には僕がどれだけ成長していっているのか、現状どんなもんなのかわかってもらえると思います。

追いかけることで、あの頃からこいつもこんなに稼ぐようになったのかと思ってもらえる仕組みになっております。

全然増えていかなかったらすんません!

今月(2021年6月度)の吉本から僕への給料ですが

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