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【昭和二十年夏、女たちの戦争】 読書#126

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、戦争についてです。
まもなく、原爆の日と終戦記念日です。

ヘッダーは、wsd983320987さんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!


目次


基本情報

梯 久美子(著)
角川書店 出版
2008年7月10日 第1刷発行

全250ページ
読書所要期間6日

本書は、バリューブックスさんで購入しました!

私が本書に出会うきっかけ

以前、本作のシリーズ的なものを読んだことがある。

どうやら、先に読んだ「子供たちが見た日本」よりも、こちらの方が先に出ていたようである。
追っかけ、こちらの「女たち」の方を手にしたのだが、出会ったきっかけ/理由については、#113と同じである。

一つだけ違うのは、「子供」の視点も斬新であったが、「女性」の方がもっと斬新だと感じた点だ。

私が感じたこと

本書でいう「女性」とは?

私は、勝手に想像していた。
ここで描かれる女性とは、
・夫を戦地に送り出し、どんな気持ちで夫の帰りを待っていたか、
・子どもたちを中心とした家族とどのように日本で過ごしたか、
といった観点であると。

しかし、そうではなかった。
ここで描かれるのはなんと、独身の若い女性たちの姿だった。

本書で用いられている言葉をそのまま使わせていただくならば、
「一番きれいだったとき」を、
・恋愛もできず、
・贅沢もできず、
・ましてや食べることも、
・寝ることすらもままならない
そんな時代を生き抜いた方々のリアルが描かれている。

「一番きれい」は、決して差別的・否定的な意味合いで私は使っていないつもりである。
心身ともにもっとも生き生きした、いや、生き生き”すべき”ときという意味合いで私は捉え、使わせていただいている。
要するに、人生のもっとも楽しいであろう時期の一つを、戦争という人々の心を奪うシステムの中に無条件に組み込まれる。
その怒り・悲しみ・憎しみとのコントラストとして「一番きれい」は、胸を締め付けられる表現であった。

吉武輝子氏

本書は、著者が取材した5名の女性たちの当時の姿を描くというもの。
それぞれ、似て非なる境遇を懸命に過ごした。
後世にこうして遺してくれた想いを、しかと受け止めたいと感じている。

私は、この方を正直存じ上げなかった。
しかし私は、この方のお話があまりにも心に響いた。

普段私は、大切なところに付箋を貼るタイプなのだが、この方のパートはあまりにも多くなってしまった汗

読書メモ・読書感想を標榜しながらこんなこと書くのはどうかと思うが、その内容は筆舌に尽くし難い。

私の言葉など、あまりにも軽い。
私の言葉が、その文を軽くしてしまう。

それくらい重要な言葉の連続だった。

それでもあえて簡単に触れておくならば、
・民主主義の本質
・人間の本質

を見たような気がしている。

ぜひ、直接目の当たりにしていただきたい。

むすびに(まとめ)

冒頭にも書いたが、まもなく原爆が投下された二日と、終戦記念日を立て続けに迎える季節がやってきた。
特にこの時期は毎年平和を祈るのだが、その想いはなかなか全世界に届かない。
人間一人の力の無力さを痛感する。

しかし、平和への希求を諦めてはいけない。
そしてその前提として、戦争を忘れてはならない。

男性が主役に描かれがちな先の戦争。
その中でも、必死に戦ってきた女性たち。

彼女たちは静かに、しかし堂々と、平和への歩みをやめない。
苦しい時代の中でも、強く生きようとした人々の葛藤がそこにあった。


以上です。

5名の方々のまっすぐでリアルな言葉を、私の言葉でチープに伝えることはできないと心から感じました。

吉武さんのエピソードの中にはまさに、
「君たちはどう生きるか?」
をド直球で問うものがあったと私は感じています。

私は果たして、そのように生きられるのだろうか・・・

本日も、ご覧いただきありがとうございました!!

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