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【狩猟日記】ハンター3年目#5【撃ち上げ・撃ち下ろし時の注意点】

休日ハンターのちょーすです。

銃猟で特に大物猟をする際に、撃ち上げ・撃ち下ろしをした際に当たらないことがあります。

その理由はどちらのケースも弾が「上に逸れていたから」という現象になっているからなのですが、これを簡単にですが物理的に説明します。

この答えに出会うまでは、イメージとして撃ち上げは下に着弾し、撃ち下ろしは上に着弾すると思っていました。

撃ち上げ・撃ち下ろしの弾道

まずはゼロイン調整を行っていることが前提となります。

ゼロイン調整は「銃の弾道は重力の影響で放物線を描いて飛んでいるので、よく使う距離などを基準にして、その地点での着弾を0として設定する」ことです。

弾道は放物線で移動するので、厳密にはゼロインは2ヶ所になりますが、空気銃で50mメインだと第一ゼロインは10mあたりになり、まず使うことがないかと思います。

ここで学生時代に数学や物理で学んだ「三角関数」が役に立ちます。

学生時代に「三角関数なんて大人になってから使うことが無い」と思っていた方、残念です。

50mでゼロイン調整を行った時点で、水平な照準線に対して、銃身は僅かに撃ち上げなので、実際の計算は物凄く複雑になりますが、近似的には、撃ち上げ角度をθとすると、以下の数式で表せます。

y=x×cosθ
x:標的までの距離/y:着弾点の算出基準となる距離
になります。

ちなみに、cosθのθはプラスでもマイナスでも、同じ値になります。つまり、30度の撃ち下ろしと30度の撃ち上げとでは、着弾点は同じ量だけ上に行くことになります。

例えば上に30度で50mのところに有る標的を狙うと
50×cos30°=43.3
となり、着弾点は43.3mの水平位置の的を撃った場合の着弾点と同じになります。

ちなみに詳細な計算をするには、弾の初速、空気抵抗や重力、風の抵抗、温度や気圧、地球の自転等も関係しており、かなり複雑になります。

しかし個人的な見解ですが、プロの傭兵やスナイパーであれば、そのまでの計算が必要かと思いますが、国内で散弾銃で狩猟するそこまでの精密性を求めるよりは手ブレや体の揺れ、射撃時の衝撃の影響、集弾性の影響の方が大きいので気にしないようにしています。

要するに、銃弾にかかる重力が最大になるのは地面と水平の時で、それより角度が上でも下でも軽減されるということです。

まとめ

撃ち上げでも撃ち下ろしでも着弾は上」ということを念頭に射撃をすることが良いです。

標的射撃は散弾なので、撃ち上げや撃ち下ろしを意識することがほとんどないですが、狩猟だと1発弾を使うことが多く、射撃直後には手応えがあったとしても獲物に命中していないことがありました。

今振り返ると、撃ち下ろしだったので、弾が上に逸れてた可能性が高いと思います。

大物猟の時は可能な限り、前脚の肩甲骨あたりを狙うと少し上にずれても首があったり、頭があったりするので、獲物の下を狙うように意識して撃つようにすると成果が上がるかも知れません。

また空気銃を使った鳥猟でも獲物までの距離を踏まえて、少し下を狙って射撃をすると良いです。

数式を使わずにまとめられたサイトもあるのでこちらもご参考にして下さい。