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【日本防火・防災協会】防火管理講習【甲種・乙種防火管理者】

コワーキングスペース「nido(ウベノス)」の経営者のちょーすです。

一定規模の防火対象物では防火管理者を選任し、防火管理業務を行わせなければなりません。

nido(ウベノス)があるエディあいおいも漏れなくその対象となるため、今回は防火管理者に選任されるための講習を受講しました。

防火管理者

多数の人が出入りし、勤務し、居住する防火対象物を所有する場合、その防火管理は「防火管理者」が担います。

防火管理者は消防計画の作成やその計画に基づいた防火設備の維持・管理を行う必要があります。

一定の規模及び用途の建物には「甲種防火管理者」又は「乙種防火管理者」の資格を持った人を選任する必要があり、今回私は所有する集合住宅及び商業ビル等の防火管理者となるべく、「甲種防火管理新規講習」を受講しました。

防火管理新規講習

防火管理新規講習は全国各地で年中開催されています。

全国のどこで講習を修了したとしても、日本各地どこでも有効ですが、甲種防火管理新規講習では連続する平日の2日間が受講で拘束されます。

講習時間中は電話等で離席することも出来ず、あまりに受講態度が悪いと退出を求められ、その場合は受講修了とならず修了証も交付されません。

直接、開催者へ問い合わせや予約も出来るようですが、私は日本防火・防災協会のホームページから予約・支払いをしました。

スケジュール

インターネット予約が完了すると、当日のスケジュールが表示されました。

【第1日目】
0900~0930:受付
0930~0940:オリエンテーション
0940~1040:①防火管理の意義と制度の概要
1040~1050:休憩・受付[※科目免除者のみ]
1050~1200:②火気取扱いの基本知識と出火防止対策 (危険物管理、地震対策を含む。)
1200~1300:昼休憩
1300~1350:③施設・設備の維持管理Ⅰ
1350~1400:休憩
1400~1450:④自衛消防Ⅰ
1450~1500:休憩
1500~1600:⑤防火管理の進め方と消防計画Ⅰ
1600~1610:休憩【甲種受講者の第1日目終了】
1610~1630:効果測定【乙種受講者のみ】
1630~1650:修了証交付【乙種受講者のみ】

【第2日目】
0900~0930:受付
0930~1030:⑥甲種防火管理者の責務と留意事項
1030~1040:休憩・受付[※科目免除者のみ]
1040~1150:⑦火災事例研究と火気管理
1150~1250:昼休憩
1250~1340:⑧施設・設備の維持管理Ⅱ
1340~1350:休憩
1350~1440:⑨自衛消防Ⅱ
1440~1450:休憩
1450~1550:⑩防火管理の進め方と消防計画Ⅱ
1550~1600:休憩
1600~1645:効果測定(20分)、修了証交付、事務連絡等

1日目は16時に終わりますが、2日目は17時近くまでと長丁場です。

講習会当日に配布されたしおりにも同じようなスケジュールが記載されています。

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科目免除の対象もあるようですが、私は全く関係ありませんでした。

科目免除:甲種受講者のうち、消防設備点検資格者講習又は自衛消防業務講習の修了者は、受講申込時の事前申請により、①と⑥の科目(2時間)の受講が免除されます。

また、持参するものについても記載があります。

①顔写真つき本人確認書類(原本に限る。)
②筆記具
③テキストを入れる袋又は鞄(テキスト(A4)は、会場で配布します。)

本人確認書類を忘れずに会場に向かいます。

今回私が受講する会場の周辺には飲食店が殆どないので、昼食のことを事前に対応して向かいます。

会場はかなり大きな会場で、90名程度が今回申込をしていたようです。

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受付時に受験番号が渡され、指定された席に座ります。

席には教材等が整然と配置されていました。

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テキストはなかなかの分厚さで、資料編もありますが、300ページを超えています。

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1日目

1日目は甲種・乙種の同時受講なので、乙種の内容についての講義になります。

歌舞伎町ビル(明星56ビル)火災と首里城火災の事例等から、現場検証やその後の原因究明から、当時どのような対応がされて、どのような不備が火災に繋がっていったのかを説明されました。

避難経路の確保や日常点検の大切さを実事例を通じて実感することが出来ました。

また意外だったのは、集合住宅のバルコニーは避難経路ということもあり、共用部分となっているそうです。メディア等でベランダでのプランターを使った家庭菜園やキャンプが特集されたりしていますが、物が散乱してしまうと避難の妨げとなってしまうため、消防から所有者へ指導が入るそうです。

2日目

2日目は甲種のみの受講なので、1日目で触れなかった内容について、講義が進められます。

この日もアスクル火災や糸魚川市大規模火災等の事例から説明が進められました。

日々の訓練が実施されていなかった点や大きな火事になってしまうと消防隊も太刀打ち出来ない点等が共有され、初期消火の重要性について、実事例を通じて理解できました。

また、東海道新幹線火災事件を報じるニュースで、「この新幹線にはスプリンクラーは設置されていませんでした。」と報じたレポーターが居たそうです。

その「新幹線にスプリンクラーが無い」ということ自体については、確かに事実ですが、スプリンクラーの設置には配管やタンクが必要で、それを時速300キロで走行する新幹線に設置するのはほぼ不可能なのですが、それを理解せずに報道するのはただ単に無知であるということの怖さを実感しました。

2日目の講習が終わると、すぐに効果測定が始まります。

効果測定

乙種は二者択一式、甲種は三者択一式で、設問数は10問でそれぞれ配点が10点で100点満点となっています。

制限時間は20分ですが、講義で使用したテキストの持ち込みも出来るので、難易度は高くないです。

終了後に即時自己採点をして、60点以上であればそのまま修了証の交付がされます。

もし50点以下であれば、補講を受講することで、修了証が交付されるようですが、今回の受講者には該当者はいませんでした。

修了証

修了証は紙と思っていましたが、プラスチック製のカードでした。

甲種防火管理再講習

比較的大規模な防火対象物の防火管理者は、甲種防火管理再講習を受講しなければいけないです。

2021年4月からは再講習については、オンライン講習が実施されているので、会場に赴く必要がなく、便利になっています。

オンライン受講ですが、講習実施日は指定されているため、空いた時間に受講出来るという訳ではありません。

ただ、毎月2日程度で隔週くらいで実施日が設定されているため、調整は比較的し易くなっています。

まとめ

今回、ウベノスが入るエディあいおいの防災管理者になるために受講しましたが、実際に受講してみると日々の生活の中に潜むリスクについて、再認識出来ました。

特に講習の中では、ニュースで見ていた実際の事例の詳細を知ることを通じて、日々の生活の中で気を付けないといけない点を学ぶことが出来、またそれ以上に火災の怖さ・恐ろしさを学ぶことが出来ました

またメディアが報じるニュース等でも、本当のことを正しく伝えられておらず、メディアが伝えたいことだけが報じられてしまっているため、受け手はしっかりと正しいことを見極めることが求められていると改めて感じました。

火災のニュースが報道されていても、その時は出火の原因については伝えられますが、そこまで被害が拡大した要因については、後日原因究明がされた後に自ら調べないと知ることがなかったように思います。

ただ、連続丸2日間の講習会はスケジュールを組むのが大変でした。

この講習会を受講することまでは必要ないかと思いますが、特に世間を騒がせるようなニュースとなった火災については、その原因を年に1回程度学ぶ時間を社会人は必ず取った方が良いくらいに感じる大切な機会でした。

また、甲種は2日間、乙種は1日間の講習で危うく乙種の方へ靡きそうになりましたが、防火管理講習を受講されようと思っている方は、もし乙種を修了していても、甲種が必要となった際には、改めて2日間の講習を受講する必要があるため、将来的に取り直す可能性が僅かでもある場合は多少無理をしてでも最初から甲種を受講することをおすすめします。

あまり知られていない「定期点検報告の特例認定」についても知ることが出来たので、またこちらについてはまとめてみようと思います。