ケース・フィルム事例『BACKUP UKRAINE』(文化)
こんにちは、inaho Filmです。
今日は、2022年のカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルで賞を受賞したり注目されたりしたケース・フィルムを1作品紹介します。
少しずつ事例を集めてアーカイブにしていければと考えております!
「ケース・フィルム」については、こちらの記事にも記載していますので、ご参考ください。
『BACKUP UKRAINE』
Digital Craft部門などでGrand Prix受賞。
2022年2月より、ロシアによるウクライナへの侵攻が始まりました。全面戦争へと発展した状況は現在(2022年12月)も続いています。
爆撃により多くの人々が避難を余儀なくされ、まさに人命が危険に晒されている危機的状況。同時に、ウクライナに存在する歴史的文化遺産までもが破壊され失われる懸念が広がっています。そうした中で始まったのが、3Dモデリング技術で文化遺産をスキャンし、バックアップを作成する「BACKUP UKRAINE」プロジェクトです。
3Dモデリング技術、と言うと小難しく聞こえるかもしれませんが、実際にはウクライナの人々に、文化的に重要だと思われる建造物や立像などをスマートフォンで3D撮影し、BACKUP UKRAINEのウェブサイトにアップロードしてもらうというプロジェクト(同ウェブサイトでは、実際にアップロードされた3D画像を位置情報と合わせて閲覧可能)。撮影された対象のデータは保存され、万が一にも実物が失われてしまった際は、データからの復元可能となります。
本作品では、プロジェクトの概要や具体的な3D撮影の方法が説明されています。また、作品内での「紛争が起きている危険地域での撮影は行わないでください」というメッセージからは、現状の深刻さも伝わってきます。1日でも早く戦争が終結し、ウクライナの人々がこれまでの安全な暮らしを取り戻す日が来ることを心より祈ります。
トップ画像の英文抄訳:
国の文化遺産を破壊することは、国民のアイデンティティを失わせる最も手早い手段である。
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