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2020/08/18「未だ訪れぬ見せ場のために」

 ラストシーンを見終わっていないドラマのようだ。

 21年という時間を見終わり、まだラストシーンを見ていないから、私は生きているのだ。「私と未だ出会わぬ誰かとのエンディングを見るまでは、ドラマのここぞという見せ場を見るまでは。」そう思いながら生きているのだ。


 ふと気づいてしまった。


「そんな見せ場が今後待っているという保証はどこにある…?」


 21年という時間、小中高大と、勉強、勉強、勉強。

 勉強はしなくてはいけないものだった。リーダーシップを培わなければ。海外経験を積まなくては。周りと仲良くし、多くの友人を作らなければ。その方がいい。その方が、「よい人間」になれるのだ…。

 

 何を目的に学んできたのだろうか。「よい人間」になって何をしようというのだろうか。いつか来るはずであろう「見せ場」のために、いつ来るかもわからない「見せ場」のために。


 この21年間、何のために時間を使ってきたのだろう。未だ好きになれぬ自分自身を見て思う。時折、自分のことが気持ち悪くて仕方がなくなってしまう。ぐしゃぐしゃに丸めて、捨てられたらいいのにと、薄暗い思考を晴らすために、言葉を綴る。


 もう頑張らなくていい。そんな時はいつ来るのだろう。まだ駄目だろうか。まだ私は浅い人間だから、勉強して、経験を積んで、努力をしなければいけないのだろうか。


 許される日をずっと待っている。自分の中に存在する秩序から。未だ許してくれぬもう一人の私から。

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