_影の海_

2019/8/05 「この感情全て私だけのものだ。」

 とても泣きたい気分だ。というか、もう泣いているようなものだ。

 こんなことを書いていたら、私の感情はまた誰かの言葉に枠取りされて、固定されてしまう。それにも泣いてしまいそうだ。知ってほしいと思う反面、「客観的」な主観で私を語られるのが嫌で、私の言葉ですら真実でないのに、あなたの言葉であたかも分かっているかのように語らないでくれ。本当に…語らないでくれ。


 正しいと言いたい。私は私のままでありたい。外から押し付けられる私を受け入れたくない。それでも私は誰かに愛されたくてそれを受け入れて、そういう自分が悲しくて悔しいのに、笑って嘘をついている。


 いつから語れなくなったんだろう。誰かと対立するくらいなら自分が受け入れてしまえばいいと思ってきたけれど、私は結局怖いだけで、そうやって自分を殺してしまったから今の私になってしまった。


 戦うための言葉が出てこない。誰かを傷つけるための言葉が出てこない。それを使ってしまったら自分までも傷ついてしまうように気がして、こうして気づかれないように泣くことしかできなくなってしまった。


 私は怒りたいんだ。怒っているのだと言いたい。誰かを傷つけてでも自分が正しいと言ってしまいたい。語らないでくれ。勝手に私を語らないで。


 私にはわからない。どうしてそうも簡単に誰かを圧し潰してしまう言葉を使えるのか。そんな小さな命の灯を、簡単に掌で握りつぶす人間の言葉が私にはわからない。わかりたくもない。どんな人間であっても、生きることを否定できるわけがないのにどうしてそうも簡単に否定してしまうのか、私にはわからない。


 こんな感情も結局声にならなければ存在しないも同じで、だけれど私は声に出さないことでこの気持ちを私だけのものにして、誰にも語らせずに済んでいるのかもしれない。

 誰かの言葉で勝手に枠取りされてしまうくらいなら、この感情全て私だけのものだ。

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