戦わない生き方 仕事編②
どの業界も
入ってみないと本当にわからないものです
夢と希望を持っていざ働き始めると
理想と現実のギャップに愕然としてしまった
そんな経験は 誰もが持っているのではないでしょうか
23歳で 地元役所の臨時職員として一般事務の仕事に初めて触れた時
初日に感じた違和感が なぜか2日目も消えず
迎えた3日目
コピー機の前で大量の契約書を
ハンコがしっかり映るように濃度を調整しながら
スタートボタンを何度も何度も押すたびに
いつの間にか涙ぐんでいる自分がいました
それでも公務員になろうと思ったのは
公務員になったら 定時で終わり
休みがたくさんあって
退職まで安定して給料をもらえる
「地域一番の優良企業」のイメージがあったからでした
実際 売り上げというノルマはないですし
地域住民と接することが多いので
役に立てて嬉しいと思える時間が多いと感じました
また 職員も人当たりが良く
人間関係への不安は全くありませんでした
仕事も丁寧に教えてくれて
任せられた仕事は自由度も多く
年数を重ねるうちに 自信とやりがいを感じるようになりました
では 戦う場面は本当になかったのか
25年いたからこそ言えるのは
「暗黙の了解」という名の戦いが
公務員にも常にあったように感じています
国や県と関係性
多くの地方自治体は 国からの交付金で地方財政を賄っています
国の政策が変わると県が変わり
その下の市町村も同じく変わっていかなければなりません
逆を言えば
どんなに市町村にとって必要な事業でも
県や国が認めないと実施することはできないのです
ですので 国や県との関係性には神経を使います
一番恐怖だったのが「会計検査」です
補助金が適切に執行されているか
過去数年分の書類をまとめて検査されるのですが
たまたま担当になった職員は
公表から終了まで休まる暇がありません
(昔は 接待もあったと伺っています)
倉庫から引っ張り出した古い書類に埋もれながら
迎える当日の緊張感は ものすごいものがありました
もし何か言われた時にどう返答すれば良いかまで
徹底してレクチャーを受けて臨んでいました
最終的に 心理戦であるように捉えていたと思います
システム化
私が採用されてすぐに
文書づくりが ワープロからパソコンに変わっていきました
これまで手間がかかっていた仕事が少しは楽になるのでは
そんな期待を持って
紙ベースからのデータ化という大仕事に取り組みましたが
なぜか業務量が変わりません
逆に 時間に関係なく届くメールの数と報告物の多さ
そして 提出期限の短さに
遅くまで残る職員が増えたような気がしました
システムに対応できないという理由で
退職する職員もでてきました
システム導入や変更のタイミングで担当になると
通常業務をやりながらですので 土日返上はあたりまえです
決められた期日までに
絶対に仕上げなければいけませんでした
昨今のDX化やAIの活用は
書類文化の公務員にとって
大きな転機になるのではないかと感じています
頑張らなければいけないタイミングは どんな仕事でもあります
それでも 毎月順位をつける「競争」とは違う
頑張る「目的」に納得感があったので
私は働きやすい職場だと感じていました
ですが これは
役職も何もない普通の事務だった時の話でした
経験年数や役職が上がってくると
見えていなかった仕事が追加され
私は納得していた「目的」を見失ってしまいました
それについては 次回綴ってみたいと思います
地方公務員の仕事理解に役に立てたら嬉しいです