大原美術館(4) 次元の違い
絵画と写真の次元の違いを感じた話。
大原美術館の鑑賞記録、第4回目です。今回もアルプスの真昼を取り上げます。
この絵の主役中の主役は、女性の目だと思います。
これはいくら拡大表示しても絶対に分からないので、ぜひ大原美術館現地で見て頂きたいのですが、帽子の影になっているこの右目がめちゃくちゃ目立つんです。なぜだろうかと、グッと近づいて見ると……。
この右目は帽子のツバより手前に描いてあるんです。
どういう意味かというと、この人物を三次元的に考えると、まずツバが一番手前にあって、それから鼻、口、目という順番で奥になっていきます。しかし、絵はそうは描いてないんです。ツバよりも目の方が絵の具が盛り上がっていて、目→ツバという順番になってます。
目が山の頂上にようになっているので、光が当たって目立ちます。本当に瞳が輝いているように見えるんです。このトリック?はすごい。
美術館で鑑賞するといつも思うことですが、絵画って平面じゃないんですよね。
一方で、写真は完璧に平面です。
絵画が三次元なのに対して、写真は二次元。次元が低い分、やはり鑑賞者に与える効果が下がってしまうはず。これを逆手に取った表現が何かないか? とおもうのですが。
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