趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.131 読書 金井真紀「世界はフムフムで満ちている: 達人観察図鑑」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は読書 金井真紀さんの「世界はフムフムで満ちている: 達人観察図鑑」についてです。
いろいろなお仕事100人にインタビューした本。
海人、石工、インタビュアー、ヴィオラ奏者、牛飼い、占い師・・・etc
見開き2ページで一つのお仕事。
ゆるカワのイラストに、軽やかで簡潔な思わずフムフムと思ってしまうエッセンスだけ。
いろいろな職業が世の中にあることもわかり面白い。
お金儲けや地位名誉ための職業ではなく、皆職人気質の仕事が多い。
そしてよくテレビ番組とか仕事の本であるような、これがその仕事の本質とか、気負った言葉ではなく、
くすりと笑える話や、なるほど〜っと思えるような話ばかり。
ばっちり役の立つ本ではなく、いろいろな仕事があり、ほんの少し知る楽しさをある。
多分、数時間取材して、99%捨てて、これ!っと言ったフムフムなことを拾い上げているんだろうなと想像します。
真っ先に写真家のページを読みました。
「盗み撮りなんかしても何の意味もない」
「だって写真には撮っている人と撮られる人の関係が写るんだから」
わお!その通り!けど一般の人にはその勇気は難しいでしょうね〜。
スポーツ写真家のページは
昔お金がない時代限りあるフィルムのために練習をじっと観察して一番美しい瞬間を研究した。
「今みたいに良いカメラがあったらボクにはシャッターチャンスが分からなかったかもしれんなぁ〜」
あまりにもカメラの性能が上がって、どんな条件でも何枚でも連写で無限に撮れるようになってしまい、セレクトが大変になりましたね。
料理カメラマンのページは、彼の静かに言う「せっかくやから」と、せっかくの機会を大事に機嫌よく味わう姿勢も素敵だと思いました。
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一番印象的なところは
パティシエのページで散々師匠に怒られて、最後の最後に美意識がわからんようなやつには美味しいケーキは作れないと気がついたというところグッと感動しました。
読んでいてとっても心が軽くなる良い本でした。
今日はここまで。
「インタビューの前に自己暗示をかけるんです。
私はこれから◯◯さんが大好きだ、
目の前にいたら抱きつきたいぐらいだ、
実際に抱きついちゃぅたらどうしよう・・・って本気に考える。
そうして相手に会うと、
インタビューはきっとうまくいきますよ」
/P.15インタビュアー「世界はフムフムで満ちている: 達人観察図鑑」より