趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.016 映画 山田洋次「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 山田洋次の「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」(1974/日)についてです。
「男はつらいよ」シリーズ、実はつい最近まで観たことがなかったんです。
もちろんどんな映画かはキャラも内容もある程度知っていますし、日本のコメディ映画として有名なのも十分わかっています。
映画愛好家としてはいつかは観なくてはと思いながらつい最近まで避けてしまいました。
なんなんでしょう?どうも苦手だったんです。理由は分かりません。その時点で一本も見ていなかったものですから。
・
数年前ある女性モデルさんの撮影で、「男はつらいよ」が大好きで全部観ている方がいて、では柴又で”マドンナ”として撮りましょうということになりました。
柴又の映画に出てくるお店や荒川の堤防、お寺などを案内され、長い時間男はつらいよの魅力を語られ、う〜んこれは観てみようかなと思いました。
ちょうどその頃テレビで「男はつらいよ」特集があり一挙に放送されました。
観たらいや〜なんとも言えず面白い。また昭和の時代やその時代のマドンナが出てきて楽しませてくれます。
この映画は寅さんではなく女性の生き方を描く作品なんだと気がついたらすごく好きになりました。
また役者さんたちの絶妙な掛け合い、山田監督の熟練のうまさなど、見れば見るほどハマってきました。
それで今回見た作品で「男はつらいよ」シリーズ21本目です!
全部で50本あるのでまだまだ4割!
今後ともまだ観ていない作品を楽しみにしています。
・
さて今作品 「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」(1974/日)
シリーズ13作目、マドンナは吉永小百合さん。
このシリーズのマドンナといえば一番有名なのは浅岡ルリ子さんだが
吉永さんもマドンナとして二回出演。さすが日本を代表する女優。
もう今作は若い吉永小百合さんを堪能する作品も言っても過言でないでしょう。
・
物語は寅次郎が柴又に帰ってきて、温泉で知り合った女性と結婚を考えていると言って、
タコ社長と妹のさくらを連れて会いに行くが、その女性のところに元夫が帰ってきてしまった。
失意の中また旅に出た寅次郎は、偶然に以前「柴又慕情」で会ったことのある歌子(吉永小百合)に再会する。
彼女の夫が亡くなり、未亡人として、寂しく暮らしていると。旦那の家族とも折り合いが悪いと。
何かがあったら柴又へ来るんだぞと言い残して寅次郎は去る。
数日経って歌子が柴又へやってくる。寅次郎は大喜び!
というお話。
・
男はつらいよシリーズの中では物語は割と平凡な作品。
恋の駆け引きも薄くて単なる片思い、その女性の自立や幸せを願う感じ。
ただ若い頃の吉永さんが本当に美しい。
美しすぎて、え?未亡人?あのスラリとした体型、
あの美しいお顔にリアリティは吹き飛んでしまいます。
役柄で歌子の頑固な父と和解するシーンがありますが、さすが宮口精二さん存在感がある。
そう、この映画は存在感のある役者は出ていますが、どうも物語のリアリティや起伏が少なく、
恋の行方も駆け引きも思いも薄く、平凡になってしまったのは残念です。
まあ片思いで、恋していない幸せを願っていると強情を張っていると思いますがw
圧倒的な美しさの吉永小百合さんにはなかなか手を出せないオーラがありますね。
今日はここまで。
「兄ちゃんは恋をしたんじゃねぇ ただ、あの人が幸せになればいいな そう願っただけよ」/「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」 より