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趣味はと聞かれ「映画と読書と音楽です」と言うのが躊躇してしまう。読書編その5

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

読書について今までお話ししたことは

第一回 隙間時間に読む、読書メータを使っている

第二回 同時多読法

第三回 星新一さん

第四回 スティーヴン・キング

高校生まで星さんとキングで本を読む習慣はある程度はできましたが、それでもまだ本格的ではありませんでした。

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浪人を終え、大学生になった頃のお話です。

故郷から上京し、一人暮らしを始めました。

食事などお昼は学食で友達と食べますが、朝、晩と基本一人なんです。

料理は全くできなかったので、夕方家に帰ると、ふらりとお店に行きます。

よく行ったのはとても普通な街の中華料理店、ラーメンやチャーハン、中華丼が出るところです。

もう一軒は丼ものばかり食べていた和食屋さん。

この2件を交互に行っていました。

この2つのお店の良いところは、基本あまりお客さんがいなくて割と静かなことです。

静かと言っても微かに聞こえるテレビの音、調理する音などはあります。

そして店主が割と無愛想。

そして一番大事なのは料理が出てくるのが遅いということw

味は普通に良かったですよ。

そうこの時間を毎日読書に当てていました。

それと朝は必ずマックのモーニングセット。

毎日行きすぎて「いつもの」で通用するようになりましたw

ここでも読書をしていました。

何事も習慣にすると良いですね。

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そしてこれで読書する時間は確保できました。

次は何を読むかです。

高校までに星新一さん、スティーブン・キングとハマり、

あとはアーサーCクラークやアシモフや荒俣宏さんの帝都物語ぐらいでしょうか。

せっかく大学生になったし、一人の生活なので何か新しいものを読みたいなと本屋さんに行きました。

そこで出版社が出す無料の薄い小冊子、夏の文庫フェアを見つけたんです。

角川文庫の「カドフェス」、集英社文庫の「ナツイチ」、新潮文庫の「新潮文庫の100冊」などです。

特に新潮文庫の100冊が好きで宮沢りえさんの写真にグッときたんです。

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学生が夏に読むといい、名作やベストセラーが紹介されているんです。

これはちょうどいい。

この小冊子に紹介されている名作を読んでいこうと思いました。

砂の女/安部公房、人間失格、斜陽/太宰治、異邦人/カミュ、友情、愛と死/武者小路実篤、雪国、伊豆の踊り子/川端康成、金閣寺、潮騒/三島由紀夫、老人と海、ヘミングウェイ短編集/ヘミングウェイ、変身/カフカ、こころ、三四郎、坊ちゃん/夏目漱石、十九二十/原田宗典、限りなく透明に近いブルー、コインロッカーベイビーズ/村上龍、ノルウェイの森/村上春樹、シッダルータ、デミアン、車輪の下/ヘッセ、パパユアクレイジー/Wサローヤン、かもめのジョナサン/リチャードバック、生きるヒント/五木寛之、いのち半ばに/ビアス、初恋/ツルゲーネフ、キッチン/吉本ばなな、僕は勉強ができない/山田詠美、悲しみよこんにちは/サガン、星の王子さま/サンテグジュペリ、塩狩峠/三浦綾子、檸檬/梶井基次郎、罪と罰/ドストエフスキー、破壊/島崎藤村、智恵子抄/高村光太郎、銀河鉄道の夜/宮沢賢治、さぶ/山本周五郎、etc

もっとあると思いますが、とりあえず名作やベストセラーを挙げました。

夕飯にラーメンやカツ丼を食べながら、朝食にマックのモーニングセットを食べながらこれらを読みました。

人生でここまで本を読んだことがありませんでした。

本当なら小中学生のうちに読んでおいた方が良かったかもしれませんがw

まあ自分は何事も遅い方なので良いでしょう。

おかげで読書の基礎がやっと固まったと思います。

太宰と夏目と三島とヘッセとドストエフスキーとヘミングウェイとカミュには今まで持っていた価値観を完全に覆させられました。

そして、この中に村上龍と村上春樹さんが入っていたのも、その後の自分の読書人生を変えるものになるとは当時は思っていませんでした。

今日はここまで。


「想像力と数百円」/糸井重里(1984年「新潮文庫の100冊」のコピー)