趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.007 映画 ヴァレリー・ファリス/ジョナサン・デイトン「バトル・オブ・ザ・セクシーズ 」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 ヴァレリー・ファリス/ジョナサン・デイトン「バトル・オブ・ザ・セクシーズ 」についてです。
前情報なくテレビ放送をしていた「バトル・オブ・ザ・セクシーズ 」を録画。
題名から想像すると多分お色気のB級映画かと思ったら、全く真逆の事実に基づくスポーツ映画、
テニスのお話、女性差別との戦いのお話でした!
高校時代テニス部だったので、ナブラチロワとかエバートはよく知っていましたが、主人公のビリー・ジーンさんは存じていませんでした。
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物語は70年代、テニスの女子トーナメントの賞金は男子の8分の1。
トッププロのビリー・ジーンはそれに猛反発しテニス協会から脱退、
仲間と共に新しく女子テニス協会を立ち上げる。
そこへギャンブル依存症で元トッププレイヤーだった55歳のボビーが
スポンサーからお金を集め、女性たちをさんざん挑発して、男女対決試合を持ちかける。
そして史上初の男女対決試合が始まる。
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なんと本当にあったんですか!
いくらアメリカが自由でエンターテイメントの国だからと言って・・・
わ!本当にあったんですね!
保守的な日本じゃ無理でしょうね。
いまだに甲子園や相撲の世界には入れないですしw
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昨今映像技術が進化して、昔実際にあったスポーツを再現する映画が人気ですね。
男子テニス ボルグとマッケンローの「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」
F1のニキ・ラウダとジェームズ・ハントの戦い『ラッシュ/プライドと友情』、
女子フィギュアスケート、トーニャ・ハーディングとナンシー・ケリガンの「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」
など。
確かにあのすごい試合の裏側はどうだったんだろうとか選手の心理状態とか知りたいですよね。
背景は全部グリーンバックかバーチャルスタジオで作ってしまう。
昔風の色合いも簡単に調整。
ただある意味映像の進化だけでなく昔のように人を感動させる物語が作れなくなって
実際にあった話を作ることが多くなってきたということもあるかもしれません。
音楽でも「ボヘミアン・ラプソディ」とかありましたね。
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この映画で印象的なのは主演のエマ・ストーンの魅力に尽きます。
眼鏡をはめて、かなりビリー・ジーンに似せていると思いますが
もうエマ・ストーンの美しさがダダ漏れで、ずっと彼女のアップでも良い感じ。
彼女が出演して観た映画は「ラ・ラ・ランド」、「教授のおかしな妄想殺人」、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」、「マジック・イン・ムーンライト」「アメイジング・スパイダーマン」、「ゾンビランド」
本当に良い映画ばかり。
敵役?相手役の男性テニスプレイヤーボビーを演じたスティーヴ・カレルも彼しかできない。
映像も、俳優も良し。
そして結婚しているビリー・ジーンは本当はレズビアンで当時はそれを隠さなければいけなかったが、
美容師の女の子マリリンとの恋はこの映画をよりドラマチックに、
よりビリー・ジーンのプライベートをあらわしていたと思う。
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最後男女対決の試合前、神経質になっているビリー・ジーン、離れていた美容師のマリリンが控室に来て、2人きりになって
マリリン「あなたの美容師?」
ビリー・ジーン「違うの?」
マリリン「ううん、それでいい」
マリリン「そのために来た、任せて」
愛し合った二人、けど世間にバレないように離れてしまった。
けど大事な試合前に、彼女のために髪を整える。
このシーンはグッときました。
普段自分もカメラマンという裏方の仕事。
スターたちをいかに美しく撮るかが仕事。
”あなたは私のカメラマン”と言われると”任せてください!”と思いますw
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この映画淡々と進行していきながら、割と心理描写も丁寧に役者のアップを使って描いています。
表面的には女性テニスプレイヤーの地位向上、男女の試合、ですが、美容師さんとの恋愛も見どころです。
今日はここまで。
「いつか僕らはありのままでいられる、自由に人を愛せる」/
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」試合後ビリージーンがホモセクシャルなスタイリストから祝福され聞く台詞。