成れの果て

可愛い可愛い自分が可愛い
あぁ誰よりも自分が大好きで仕方がない
あの人の気持ちなんて知るもんか
都合の良い解釈で相手を丸めこんで
自分自身さえ騙くらかしてしまおう
はじめからそれが正解だったかのように

お前が悪い
俺は悪くない
お前は壊れてる
俺はまとも
お前は使えない
俺は価値ある人間

藍色だの葡萄茶色だの芥子色だの
そんなものは知らない
黒い絵の具で塗り潰せばいいじゃない
めんどくさくてしょうがないな

可愛いよ、美しいよ、素敵だよ
綺麗なお花を摘んであげる
心配しなくてもいいからね
藝術という銘文のもと
これは必要な行為なんだ
わかるよね
僕が愛してると言ったら
君も愛してるって言いなよ
さもないと君の綺麗な目に鋏を立てるから
可愛いな
ちょうど手元に鋏があったから
髪を切ってあげようか
ショートヘアもよく似合う

どうしたの
泣く必要なんかないんだよ
不安なんだね
それとも機嫌が良くないのかな
誰だってそういう時はあるさ
君はまだコントロールしきれてないんだけなんだ
愛し合えば気持ちが安らぐよ
ぐずぐずしてないで脱ぎなよ
あぁ好きだ
君は最高だ
気持ちよくしてあげる

反吐の出そうな自慰に付き合わされて
こっちは枯れてしまいそう
とっくにからっから
雄犬どもが
獣たちとセックスするくらいなら
真冬に公園の汚い公衆トイレでオナニーしてたほうがずっとマシ
わたしの魂を浄化してくれるって?
あぁそういえば
浄水器を売りつけてきたどこぞのセールスマンも同じこと言ってた

あの灰色に全てが吸い込まれてしまえばいい

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