弟からのLINEに返事を書いていたら2000字のマーケティングブログになった話
酒蔵に努めている弟からLINEが届きました。
しばし弟とLINEのやりとり。
弟
ねーねー
会社ホームページのコンサル報酬月30万円ってふつう?
ぼく
た、たけえ…
東京のコンサルタント会社だったらあるかもしれないけれど、長野の制作会社だったらほぼないんじゃないでしょうか。
ちなみにぼくの会社はコンサルタントとは言ってなくて(コンサルなんてできん)、マーケティング支援という名前で顧客と毎月ミーティングしたりしているのですが、月額5万円からスタートです。
ぼくは複数社受け持っていますが、30万円の付加価値は十分あると思っています。
だから、30万円と価格設定する会社があっても不思議じゃないけど。
ぼくの会社は顧客の成果に貢献するためにマーケティング支援が必要だからするのであって、そこで稼ぐのが目的じゃないという背景もありますが。
それにしても高いなあーー。
弟
高いよねー💦
しかも一年契約だよー💦💦
ううぅ…
ありがとさーん。
ぼく
えっ。もう契約したの…?
弟
してないよ。
今日、そんな話を持ってきた人が来たみたい。
『高いけどしかたないのかや…』って感じ💦
そのコンサルってのはなにするの?
どーやって売るかはこっちが考えて、それにアドバイスする仕事?
それとも『こう売れば儲かる』ってアイディアとかを教える仕事なのかい?
LINEの再録はここまで。
>そのコンサルってのはなにするの?
>どーやって売るかはこっちが考えて、それにアドバイスする仕事?
>それとも『こう売れば儲かる』ってアイディアとかを教える仕事なのかい?
ぼくはコンサルタントではありませんが、勤める会社でマーケティング支援は担当しています。これはちょっと本気で返事をしなくてはならない。
以下、弟に書いた長文の返事です。
結果的に2000字になりました。
弟に書いた2000字の返事
えーとですね。「こうすれば儲かる」というアイデアはぼくは知りません。
いろいろ勉強したけれど、そういうことをアピールする人は見たことないです。
だから、もしそういう人がいたら「胡散臭いなあ」と思っていいと思います。
それで、ぼくが学んできた中で共通しているのは「やるべきことをやる」ということです。
ジャンルやテーマの違いはあれど、共通していることはそれです。
そして、「やるべきこと」は秘密でも魔法でもなくて、ちょっと調べれば沢山出てきます。
本屋さんでもいろんな本が売っています。
マーケティングとかSNS活用とかWeb活用とか。
基礎的な内容の本はどれを買ってもだいたい大丈夫だと思います。
学ぼうと思えばいくらでも学べるし。実践しようと思えば明日からだってできます。
だとしたら、何でコンサルタントとか、ぼくの会社のマーケティング支援とかが必要なのか。
理由は3つ
①学んでいる暇がない
②今すぐ実践したい
③試したけど上手くいかなかった
…と書きましたが、これらはうわべの理由です。
本当の理由はこちら。
「みんなあまり本気でやらない」
悪口ではなくて、状況的に仕方のないことを指しています。
例えば君の会社なら「美味しいお酒を作ること」が本業で。今までだったらそれで充分なのです。むしろ誇るべきことで。
だけど、インターネットの出現で世界は大きく変わって、「どう売るか」「どう届けるか」を考え、実践することも必要になりました。
あと十年もしたら、どんな会社でも「どう売るか」「どう届けるか」を考えることが普通になると思います。
むしろ今が過渡期で。新旧が入り混じった状況なのだろうと思っています。
だから、「やるべきこと」を実践していない会社もあるし、試したけどちょっとやって止めちゃったという会社も多いはずです。
例えば
●君の会社はネットショップの購入者リストをちゃんと整備していますか?
●初めての購入者、3回までのリピーター、10回以上のお得意様のリストをすぐに出せますか?
●名前とメールアドレスは知っているけれどまだ購入したことない見込み客は何人いるかすぐ分かりますか?
●1000人の顧客に最低でも週に一度はメールを送っていますか?
●新酒やお歳暮の時期だけあわててメールしていませんか?
●まだ買ってない人/初回購入の人/リピーターなりたての人/ディープリピーターな人、それぞれの人に向けたWebコンテンツが揃ってますか?
●まだ買ってない人と繋がれるような取り組みはしていますか?
●イベントを開催したり、参加したりしたら、ちゃんとコンテンツにしていますか?
●そのコンテンツはWeb、通販購入の包装に入れる紙チラシ、メールと水平展開で活用していますか?
●SNSアカウントを本気で運用していますか?日本酒ファン500人と繋がれてますか?
●TwitterやInstagramで君のところのお酒について書いてくれている人たちのことを把握していますか?
●ちゃんと一件ずつお礼のツイートをしていますか? (さっき見たら一日一件は誰かが書いていたよ。放置状態だったけど)
これらは 「こうすれば儲かる」でもないし、だいたい本に書いてあることです。
どちらかといえば「王道」であり「鉄則」に近いです。
でも、ほとんどの会社がやってないんです。
王道なのに。
コンサルタント会社が何をやるのかについて具体的なことはぼくは知りませんが、少なくともぼくの会社のマーケティング支援はこれらの「王道」を実行するための取り組みです。
なぜやるのか?
「王道」だからです。魔法でもアイデアでもなく。
なぜぼくらの支援が必要なのか?
自力でもいいのだけど、途中で止めちゃうから他者の力が必要なのです。自転車に乗れるようになるまで後ろで支える人が必要みたいに。
顧客から「そもそもマーケティングって?」の問が出たとき、ぼくは下記のツイートをいつも頭の中に浮かべています。
うちの父は商業高校出てそのまま就職し、苦労に苦労を重ねた人だが、彼の「お前が売りたいときに売ってもだめだ、お客さんが買いたいときに売らなければならない。そしてお客さんが買いたくなる環境というものはお前が作れるもんだ」という言葉は息子のひいき目かもだけど実に含蓄ある言葉。
>そしてお客さんが買いたくなる環境というものはお前が作れるもんだ
これこそがマーケティング支援でぼくが貢献したいことです。
君の会社でもぜひそういう取り組みをしてもらえればと思います。
長くなりましたが、こちらからは以上です。笑
追記 1
よかったら今日ぼくが書いたブログもお読みください。笑
サイト運用の計画と施策の大切さについて書いています。
みんな始めるけど止めちゃうのは、「運用」をちゃんと計画していないからだという内容です。
追記 2
LINEを送った翌日、弟からの返信が届きました。
なるほど…勉強になったし、今日からでもやれることがあるね。
杜氏とも色々相談してみまーす。
ありがとね
>今日からでもやれることがあるね
よかった。このマインドの人がいる会社は大丈夫。
「やれるかも/やろう/やるぞ」という顧客の態度変容を促すのもぼくの大切な仕事なので。これは仕事じゃないけど。笑
以下、弟に送った返事です。
はーい。ちゃんと勉強して、ちゃんとやりきれば成果は出ることが多いから、がんばってみてください。
最初から張り切りすぎないで、毎日無理せず出来るようになることがポイントです。やる気に頼って無理するより、習慣化を意識して取り組んでみてください。
「今日からできる」という点ではSNSは大きいです。
●社名や商品名でTwitter検索し、ツイートしてくれている人がいたらちゃんと反応しましょう。大切なファンや購入してくださった人です。いいね、リツイート、コメント付きリツイートなど色々試してください
●1日10ツイートすること
●自社製品に限らず日本酒好き/マニアな人をTwitterで探してフォローして繋がること。まずは100人を目標にフォローしてみてください
●できれば公式アカウントとは別に君が個人で名前と社名と顔写真を出してTwitterをやることをおすすめします。Twitterのプロフィールの書き方はぼくのTwitterプロフィールを見ると参考になると思います
本は飯髙 悠太さんの『僕らはSNSでモノを買う』をおすすめします。
大切なことは習慣化です。
毎日20分でもいいから、Twitter「だけ」をやる時間を業務時間に確保してください。
やったらきっといいことあるよ。がんばれー。
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