
「伝わるをふやす」と「使うをつくる」
「言わなくてもわかってもらえる」というのはどんなに近しい間柄においても大抵は幻想に過ぎないんだよね。それを前提とするだけで、プライベートも仕事も以前より少しだけうまくいき出す。例えば、ちゃんと主語を使って話すとかそういう地味な事なんだけど、それだけで相手のストレスはぐっと減るのよ
— sem_master (@semlabo) January 19, 2021
「言わなくてもわかってもらえる」というのはどんなに近しい間柄においても大抵は幻想に過ぎないんだよね。それを前提とするだけで、プライベートも仕事も以前より少しだけうまくいき出す。例えば、ちゃんと主語を使って話すとかそういう地味な事なんだけど、それだけで相手のストレスはぐっと減るのよ
本当にそうと思います。
親しい間柄ほど主語は省かれるこそ、仕事上でも、人との関係性を疎かにしないためにも大切。ぼくも職場で「主語はなに?」とよく聞いています。
平田オリザさんの『わかりあえないことから』の例が秀逸でした。
(四十年つれそった夫婦「あれ。あれ。あれだよ。どこいった?」)
わかりあえないことから
少し長いですが。戯曲家・演出家の平田オリザさんの『わかりあえないことから』から抜粋します。
企業の英語公用語化が話題になっているため、誤解されている方が多いかもしれませんが、経団連の調査によりますと、企業が新卒採用にあたって最も重視している能力は、9年連続で「コミュニケーション能力」(80%超)がトップです。「語学力」はここ数年、6%程度に過ぎません。
たしかに中高年の多くの管理職の人たちは、「近頃の若者はコミュニケーション能力がない」と嘆いています。
しかし、近頃の若者に「コミュニケーション能力がない」というのは、本当なのでしょうか。
そもそも、現在、企業が要求するコミュニケーション能力とは、「グローバル・コミュニケーション・スキル」=「異文化理解能力」です。つまり、グローバルな経済環境の中においても価値観や文化が異なる人の意見を理解した上で、自らの考えを主張して説得したり、妥協点を見いだしたりすることができることです。
ところが、実は日本の企業は、自分たちも気がつかないうちに、別のコミュニケーション能力を求めています。それは、「上司の意図を察して機敏に行動する」「会議の空気を読んで反対意見はいわない」といった従来型のコミュニケーション能力です。
いま、就活をしている学生たちは、あきらかに二つの矛盾したコミュニケーション能力を同時に要求されています。しかも、何より始末に悪いのは、要求している側が、その矛盾に気がついていない点です。
「伝わる」をふやす
「言わなくてもわかってもらえる」は幻想。
「言ってもわかってもらえない」が本当の主戦場。
そこで止まるのではなく、そこからが始まり。
大事なことなので、ぼくたちJBNは下記を掲げています。
Mission
「伝わる」をふやす
Vision
「伝えること」を「伝わること」に
「使う」をつくる
そして、ぼくが個人的にユリイカ!と思ったのが上野学さんのツイートで教わった “道具のデザインは「使う」を「作る」こと” という言葉でした。
道具が作られ、それが使われる。そういう順番ではない。道具のデザインは「使う」を「作る」こと。だから同時。デザイナーにとってはどちらをやっているのかいつも曖昧で区別できない。 https://t.co/TlkL1xKLIf
— Manabu Ueno (@manabuueno) January 17, 2021
「伝わる」をふやす
「使う」をつくる
共通項は「向こう側の人」を思っていることです。
2021年の大切な個人指針になりました。
Do(実行)をふやすために、「伝わる」をふやす
ぼくは長野県のWeb制作会社で、Webマーケティング支援を担当しています。営業活動に貢献するWeb活用を戦略的にプランし実行するのが役割です。お客様と一緒にPDCAを回していくのが基本業務となります。
Plan(計画)Do(実行)Check(評価)Action(改善)で一番労力を使うのはやっぱりDo(実行)です。
Webマーケティングでは新たにコンテンツやダウンロード用資料を作ったり、見込み客へのフォロー活動をしたりと、それまでになかった業務を新たに実行する必要があります。
しかし、新しい活動だからこそ、簡単には定着しません。各部署の協力を得るのにも時間がかかります。それくらい「新しい取り組み」にはみんな腰が重いのです。
ぼくの仕事はPDCAを回すことですので、どうやってDo(実行)を少しずつでも立ち上げるか、が最初の注力ポイントになります。
その際には「伝わる」ということがとても重要になります。
なぜやるのか。何をやるのか。誰がやるのか。
目的と手段と目標をきちんと共有できなければ人は動いてくれません。「言ったからやってください」はDoに繋がりせん。
行動してもらうには「言葉選び」が大切
下記のツイートを見て、どこも全く同じだなあ…と思いました。
1/非常に多い「DX推進で、社内の理解が得られません」というお悩み相談。
— 西脇 純平 | B2B Marketing & Branding (@nisiwako) January 19, 2021
本日、日立製作所の佐藤さんがセミナーにて
(1)言葉選び
(2)やってみる
という2つのポイントを挙げてらっしゃいました。
言葉選びというのは(続
2/例えばこういうこと。
— 西脇 純平 | B2B Marketing & Branding (@nisiwako) January 19, 2021
確かに伝わり方が全然違いますね
MA/SFAにリードを蓄積してナーチャリングすることで、受注リードタイムを短縮します
↓↓
見込み顧客の動きを察知して動くことで、受注までにかかる期間を半分に短縮します
MA/SFAにリードを蓄積してナーチャリングすることで、受注リードタイムを短縮します
ツイートでも書かれているように、これだと実際には何も伝わりません。
見込み顧客の動きを察知して動くことで、受注までにかかる期間を半分に短縮します
こちらの方が具体的に伝わります。なぜなら日常的に理解できる言葉で語られているからです。
「言っていることは正しいが、行動に反映されない」ということは往々にあります。
そして、Do(行動)のためには「言っていることは正しい」はほぼ役に立ちません。正しいことを伝えるのが目的ではなく、行動に移せるために「伝わる」ことが目的であり、そのための言葉が必要だからです。
そんな風に「伝わる」を試行錯誤している日々だったのですが、 “道具のデザインは「使う」を「作る」こと”を見て、「ああ、ぼくが毎日やっていることも『「使う」をつくる』じゃないか!」とすとん、と腹に落ちました。
「使うをつくる」と「伝わるをふやす」で貢献していく
Webマーケティングを始める長野県企業様はマーケティングオートメーション(MA)という初めてのツールを導入されます。
道具は使われないと意味がないですが、初めてのことなのでやはり最初は中々うまくいきません。JBNのようなWebマーケティング支援が必要になります。
ぼくたちJBNはMAというツールは作りません。でも、お客様がMAを使って新しい行動ができるように、ぼくたちが日々取り組んでいる。それはやっぱり「使う」をつくるです。そして、「使う」をつくるときには、「伝わる」をふやすがとても大切で。
ぼくたちは「使う」をつくると「伝わる」をふやすでお客さんや社会に貢献するんだなあ…と改めて思いました。
個人的に大切にしたい発見です。
追記 20210527
このnoteを書いた半年後、全く別に書いていたけど、「このnoteにつながることだなあ…」と思った記事がこちらになります。よかったらご覧ください。
長野県BtoB企業の皆さまへ
ぼくが所属している株式会社JBNでは「BtoB企業への成果貢献」を目的とした戦略策定・Webサイト制作・Web運用支援・Webマーケティング支援を一気通貫で行なっています。
「Webを活用して営業活動に活かしたい」「属人的営業活動から組織的活動に移行したい」とご検討のお客様はお気軽にお問い合わせください。
稲田英資について
株式会社JBNで戦略策定とWebマーケティング支援を担当しています。
BtoB企業の成果に貢献するWeb活用について、Twitterで日々ツイートしていますので、よかったらご覧ください。
備考
『わかりあえないことから コミュニケーション能力とは何か』平田オリザ(講談社現代新書)