ポール・オースター『トゥルー・ストーリーズ』
小雨の中、タバコを買いにきたついでにコンビニの駐車場で文庫を読みながらカレーの弁当を食べる(昨日作りすぎたのです)。
状況だけ見るとよくある会社員の風景だし、取り立てて魅力的でもないはずなのに(むしろマイナス的)、食べ終えて、すごーく満たされている自分がいる。
車の屋根を軽く叩く雨の音や、野菜を入れすぎたカレーや、せまい車内や、淡々と人生の不思議さを描くポール・オースターや。(この本を読むと小津安二郎の映画を思い浮かべてしまう。何でだろう)
それらが全部ぴたりと合うときがあって。ぼくはそれを好む。
この一ヶ月バタバタしていたけれど、結局ぼくはこんなことで心の底から満足する。それがいつ訪れるか解らないのが残念なのだけど。
(二〇一四年十二月)