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ラフ×ラフのデビュー曲『100億点』のミュージックビデオにひっくり返った後、思いもよらず深く感動してしまう話。
テレ東でテレビプロデューサーを務め、最近独立された佐久間宣行さんのファンです。番組を観るのはもちろん、著書も読むし、オールナイトニッポンも毎週聴いています。
![](https://assets.st-note.com/img/1681196892050-NXwSsbl9qt.jpg)
1975年11月23日、福島県いわき市生まれ。テレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティ。「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」「ウレロ☆シリーズ」「SICKS~みんながみんな、何かの病気~」「キングちゃん」などを手がける。元テレビ東京社員。2019年4月からラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当。YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」も人気。著書に『普通のサラリーマン、ラジオパーソナリティになる』(扶桑社)がある。
そんな佐久間さんがアイドルグループ『ラフ×ラフ』のプロデュースを(やむなく)引き受けることになり、そのデビュー曲のミュージックビデオが公開されました。ファンとしてはもちろん観るわけです。
そのミュージックビデオがこちら。
観ていただければすぐ分かりますが頭がおかしいです。開始20秒でぼくは吹きました。これはひどい反則です。でも、ひどく正しい。しかもやるならデビュー曲のここしかない。
ミュージックビデオの監督は『TAROMAN(タローマン)』を制作した鬼才・藤井亮さん。
映像作家/クリエイティブディレクター/アートディレクター 1979年、愛知県生まれ。武蔵野美術大学・視覚伝達デザイン科卒。電通関西、フリーランスを経て、GOSAY studios設立。考え抜かれた『くだならいアイデア』でつくられた遊び心あふれたコンテンツで様々な話題を生み出している。受賞多数。
佐久間さん @nobrock からのご依頼でラフ×ラフのデビューMVを作らせていただきました。
— 藤井亮 @TAROMAN (@ryofujii2000) April 8, 2023
今回のミッションは、
1・アイドルのMVとして、しっかりメンバーが主役の構造にする。
2・佐久間さんプロデュースという色をつけすぎない。
です。がんばりました。https://t.co/lzETzBpfcL https://t.co/E2VXJjwTQA pic.twitter.com/8DI3GuJI0q
「監督の藤井亮さんに "全てお任せします。好きにやってください " とオーダーしたらとんでもないものを作られた」と佐久間さんがラジオで話していたことを一瞬で理解しました。頭おかしい。
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ミュージックビデオ自体が面白いし素晴らしいので何度も観てしまいます。もう通算20回は観ました。アイドルの歌にこんなに触れたのは初めてです。アイドルに詳しくないので知らなかったのですが、回を重ねるうちに曲の良さが沁みてくるんですね。5回目以降なんてちょっと泣きそうになって驚きました。
一回しか使えない大技をここしかないタイミングでフルスイングする胆力とセンスが素晴らしいなあ…と思いながら観ていたのですが、5回目以降になると佐久間さんが邪魔で仕方がない。メンバーをもっと観たいのに…!という気持ちになるので繰り返し観ることになり、結局20回以上観てしまいました。
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曲を何回も聴いていると分かるのですが、歌詞が素晴らしいんですよね。
他人の呪いに縛られ続け いつまでそこでうつむいてるの
さっき刺された言葉のナイフ あいつもう忘れているよ?
無理してヘラヘラ 本当はズタズタ 誰のための愛想笑いなんだ
すぐに逃げ出そう ここで始めよう
無駄なことだらけの バカげたパーティー
身に覚えがある。多くの人が「自分のことだ」と思うのではないでしょうか。ド直球の応援ソングです。しかもポイントは「自分たちへの応援/肯定」であることなんですよね。上位から下位への応援じゃない。無責任なポジションからの勝手な声援ではない。
自分から自分へ。自分のようなあなたへ。あなたのような自分へ。呪いを解くための歌。
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爆笑しながら観たミュージックビデオですが、20回も聴く頃には涙ぐんでいるわけです。いやはや。そうなってくると、道化師である佐久間プロデューサーのポンコツダンスですら、「呪いでガチガチになった若い奴らのためにこんなに体を張ってあんたは本当に偉いよ」と泣けてくるわけです。まあ、考えすぎですが。でもオーディエンスとしてはそういう効能も生まれる。
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「ド直球の応援ソング。呪いを解くための歌」と書きましたが、その本質は親目線なんですよね。「生きているだけで100億点」は親が子に感じる気持ちそのままです。親から子への励ましでありメッセージ。もののけ姫の「生きろ!」と同じです。
その意味で、作詞担当が佐久間プロデューサーであることは大いに納得です。ラフ×ラフのメンバーを励まし、呪いを解かせ、前に進ませる歌なのだと思います。そして、大きな意味では今の世代から次の世代への励ましの歌になっている。もしかしたら来年の卒業式では親たちが卒業生へ贈る歌として全国各地で愛されているかもしれません。親世代にグッと響く歌なので。
デビュー曲『100億点』が親世代から子世代への励ましの歌だったとすれば、2曲目の『ワタシイロ光る』は視点も軸もメッセージもラフ×ラフのメンバーたち自身が主体となる「私たちの歌」となるのだろうと想像しています。
これまでアイドルに無縁な人生を過ごしてきたぼくがまだ聴いてもないデビュー2曲目についてあれこれ考察しているのに我ながら驚きます。その点でもラフ×ラフ『100億点』のMVは大いに仕事をしたと実感しています。この数日、ラフ×ラフのことばかり考えているので。笑
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こうなってくるとぼくもただでは起きません。ラフ×ラフのデビュー曲『100億点』のアンサーとして生まれたのが『呪いを解くために。(Re:Selfと自分探しの違い)』というnoteです。
一部抜粋します。
取り戻す
呪いを解く
再容認する
どの時代においても「自分」と向き合うのは厄介な作業ですが、現代においてはこの3つが共感されやすいかもな…と思いました。一昔前は「自分探し=発見」でしたが、現代のポイントはたぶん「Re」なんですよね。自分を再容認するイニシエーションが必要となる。
いや、イニシエーションというより、自分を再容認するための場や機会、関係性ですね。
読んでいただければ一目瞭然ですが『100億点』に大いに影響されています。ラフ×ラフも100億点も名前は一度も登場させていませんが。笑
以上、ラフ×ラフのデビュー曲『100億点』のミュージックビデオにひっくり返った後、思いもよらず深く感動してしまう話。でした。