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#004 「起承転結」に代わる発明をしたかもしれない
■起承転結って分かりずらくない?
シナリオの作り方を調べると必ず出会う単語
「起承転結」
大体の人がこれを意識してシナリオを書き始めるんだと思う、自分もそうだった。
ただ自分は手をつけてみて、どうもしっくり来なかった。
起承転結と言うからには
連続する4つのブロックを作るってイメージだったんだけど…
それぞれのブロックの役割を意識すればするほど
ペース配分や前後の関連付けがうまくいかなくなって、
結果キレイなシナリオからは遠のいていった。
そうして長いことモタモタして、ある時
不意に自分なりの解決策をひらめいた
起承転結を先に考えるからいけないんだ!
□もくじ
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■ブロックではなく、ヒモとピンで考える
物語を面白く見せるために、確かに起承転結は大切。
だけどどうにもうまくいかない!
そこで、解決策として
気づいたら起承転結が成立してる?!
という新たなプロット術をひらめいた。
それは、物語を1本のヒモで考える方法。
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ここに1本のヒモがある
これは物語の始まりから終わりまでを意味してて、
それ以外はまだ何も定まっていない。
こいつにピンを刺す!
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このピンは何かというと、物語のピーク(山場)
それは事件であったり、喧嘩であったり、出会いだったり、失敗だったり…
とにかく、ピン は物語の風向きが変わるキーイベント。
今、ヒモは3つの点で固定され、4つの"タルみ"に変化した。
結果的に生まれたこのタルみ、
このタルみこそが"起承転結"になる!簡単!
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要は何が大事なのかというと、
物語で重視すべきなのはタルみよりもピン!
話が盛り上がる箇所を先に定めてから
もちゃもちゃした部分を考えると、
詰まることなくあらすじが完成する。
というわけです
行程はとにかく
ヒモ⇒ピン⇒タルみの調整
です。
□こうするメリット
メリットはとにかく進捗を図に起こしやすいことです。
それはつまり、目視で直感的に現状の全体像を確認できるってこと。
複雑になりがちな前後関係をあらかじめ整列して
大枠からシナリオを組み立てることで、
コンセプトや方向性を見失いにくくなるのも
メリットかなって。
それともう一つ
ヒモ1本とピン3つ、このようにパーツを単純化してるので、
ピンから作り始めることも可能なところ。
悲劇的な話が書きたい!と思ったら
ピン③に、クライマックスの別れのシーンを設定。
リベンジまでの話を演出したいなら
ピン①で派手に負ける主人公の姿を描く
そこから考えを広げて登場人物、舞台、等で
ヒモを編むようにすればいい。
自分はこっちの作り方のほうが多いかも。
懸念点?は
これ、もしかしたらとっくに既出の手法かも?ってところ
やってることの本質は起承転結とさほど変わってないし…
その場合は研究したいんで教えてください。
■ためしにやってみる
ここまでツラツラ語りはしましたが…
ゆっても自分は有名ライターでもなければ
人気小説家でもないんで、
この方法の効力がいかほどなのかは未知数。
あんなに自慢げに話してたのに…
なので試しに実践
□ヒモから考える
こういうのは分かりやすいほうが例に向いてるだろうから、
青春モノにします。
転校生がやってきて、主人公とラブコメする話で。
つまり
はじまりは「登校する」
おわりは「仲良くなる」
で。
ザックリな方が柔軟に進められるから
これでオッケ、たぶん
□ピンを考える
お話を4つに分けるためにピン、もといキーイベントは3つ用意します。
それぞれ物語の順番に従ってピン①、ピン②、ピン③と仮称。
まずはピン①でファーストコンタクト
最初なんで軽めの印象で。
このくらいなら初対面のキャラクターが登場するだけでも山場として成立すると思うけど、
何らかの掴みは必要かも。
もちろん刺激たっぷりに畳み掛けてもいい。
そして先に最後のピン③から
これがいわゆる想像しやすい「転」ですよね。
このイベントが起きることで、物語の向かう先が大きく変化する。
インパクトは強ければ強いほど良いので
転校生はエイリアンだったことにして、
主人公はその正体を目撃してしまうようにしましょうか。
ピン②は前後のピンを繋ぐ何気に重要なピン
ここでは2人の仲を親密に持ってくために
恋愛フラグを建てます。
下校イベントとかで良いすかね
そして完成したピン達を、打ち込む!
あ、この手法の便利なところまだありました
図に起こすことで直感的にピンの間隔調整ができるところ。
物語の重心をお好みに傾けることも容易な訳です。
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最後にタルみを調整
ピンを打ったことによって、
物事の大筋と前後関係が整理され思考がスッキリ。
あとは辻褄合わせと、必要なシーンをはめ込むだけ。
一気にうめてこんな感じ
出来上がったあらすじ
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面白いかは自分の力量によるところだけど、
作りやすさや物語の組み立てやすさは
個人的にはすごくやりやすい!
やっぱり常に全体像を把握できるってのが、
熱中による迷走を効果的に防止できるんだと思うよ。
ともあれこの方法を参考にしたら、
モヤモヤした悩みがいくらか晴れて
シナリオを書く楽しさが少し、膨らむかも?
言いたいこと詰め込んでたら長くなっちゃった
結局のところ、面白い話が書けるかは
経験によるところが大きいんだとは思う。
なので経験値が溜まるまでは
自分のセンスを信じて頑張るしかないんだろうけど、
だからこそこの方法が少しでも
誰かのひらめきの一助になればいいな。
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