空中浮揚
寝落ちした朝、昨日が染み付いている。不意に終わった一日が、人生の終わりみたいな気がした。やり残したことがあるのに、時間は進んでゆく。昨日の記憶を今日の私が処理しているのだから、私はまだ昨日を生きている。後回しした分だけ過去を生きていて、だから、今を生きることができなくなる。睡眠が一日に境界線を与えてくれる、と思っていたけれど、大人になるとそれは曖昧なものでしかなくなる。時刻なんてもっと曖昧だ。12時超えたって、私の身体は日付変更線すら超えていない。抜け出すことのできない一日を生きている。寝落ちしたみたいに毎日がやってくる。終止符を打つのは、きっと私の役目なんだろう。現実逃避している私、12時超えた瞬間、ジャンプしています。歳を取らない私、年越した瞬間、ジャンプしています。そんな私、永遠に、宙に浮いています。