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無力の詩
惨殺みたいな暴力的サイレンを鳴らしている救急車が通り過ぎた後ほど静寂な瞬間は訪れない。鼓膜が破れてしまうエネルギーが胸を貫き、帰らぬ人に成り果てる。傷跡に甘い香りを感じながら空を見上げると、果てしない血の匂いが充満していた。そんな地上で居眠りしていると、新たなる細胞が形づき、外へ吐き出された瞬間、生命の泉は残虐な証明へ進化する。証明を破棄して、何者でもないことを解き明かすには、五感を放棄する必要があった。鳥肌のような感触に、生命の営みを感じることができず、ただぼーっと立っていることしかできない。