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人と植物の間を巡る「RingNe」第2章にまつわる徒然草

体験小説「RingNe」今年の9月22日、秋分の日に、昨年と場所を同じく神奈川県南足柄市夕日の滝で2章目を開催いたします🌱 夕日の滝は昔話で有名な金太郎が生まれたとされる場所です。

「体験小説?」という方は一番上の動画をまず見てみてください!2割くらいの人が「わかった」となります。

「RingNe?」という方は上から2番目の動画を見てください!
昨年度の映像です。いい気分になります。

RingNeは”人が植物に輪廻する世界”を描いた原作小説「RingNe」の世界を現実に現す野外フェスティバルの名称であり、3年間続くプロジェクトの名称でもあります。

生と死にまつわる物語なので、輪廻転生の「輪廻」だったり植物学の父と言われるカール・フォン・リンネの「リンネ」だったりRing(リング💍)+Ne(ネオンの元素記号=ネオンの名前の由来はギリシャ語で「新しい」=新しい循環/新しい約束)の意だったり、リン(風鈴の音=黄泉を現す音)+根=根の国(日本神話におけるあの世)だっあり、いろいろな意味を包括しています。

そんな「RingNe」について、本記事では昨年から準備を進めていた今年開催するRingNe2章についての徒然なることをまとめていきます。

まずはRingNe Festival第2章、どんなことやるの?


今年は「イマーシブフェスティバル」という、世界初の没入型体験形式で開催することとなりました。エンタメ業界では「イマーシブシアター」という、舞台と観客を隔てない没入形演劇の形式が数年前から流行っているのですが「イマーシブフェスティバル」はイマーシブシアターと、リアル謎解きゲームと、ライブRPG(LARP)と野外フェスティバルが入り混じったような複合型体験になります。

謎解きゲーム以外は元々体験小説の中に包括されていた演出の1つなのですが、没入型コンテンツが大流行りな昨今、細分化、再編して表現していくことになりました。

これらの体験はイマーシブチケット(現状Sold out)を購入することで体験することができ、来場者自身がRingNe世界の中で起きている物語の登場人物としての役割、ミッションが与えられ、会場内に点在する物語世界のキャラクターたちに巻き込まれ、物語体験を味わっていただきます。

イマーシブシアターの原作は「RingNe2章 断編」として新たに書き下ろしました! 本編に登場する衣川というキャラクターを中心にした物語で、彼がなぜダイアンサスに入り、プラントエミュレーションを行ったのか、その背景が解き明かされます。

(原作小説は上記URLより全編無料公開中ですのでご来場前にぜひ!)

また、これらの体験とは別に「RingNe世界をただ観光したい」というニーズに合わせた「異世界観光パス」というパッケージもご用意しています。

RingNe世界の住民としてフェスティバルに参加し、振る舞っていただくこと自体は変わらないのですが、特に役割やミッションは定めず、より自由にRingNe世界を探索し、さまざまなコンテンツを体験できるというものです。

今回のRingNeでは会場を「イマーシブエリア」「フェスティバルエリア」にエリア分けをしているのですが、イマーシブエリアは「神花祭」という名称で作中に出てくる植物主義過激派のDAO「ダイアンサス」が催す野外フェスティバルとして開催しています。(ちょっと分かりづらいと思うのですが、イマーシブエリアはRingNe Festivalではありつつも、エリアの設定上「神花祭」という名称、コンセプトで開催しているということです)

上図中央のエントランスより左側がイマーシブエリア、右側がフェスティバルエリアです。

「異世界観光パス」は神花祭の中でダイアンサスの面々が展開している様々なブースや体験コンテンツを、物語の世界を観光するように体験できるというものです。

例えば作中に出てくるダイアンサスの様々な儀式、太陽光のみで生きようとする儀式「サンゲイズ」土の中で植物と同じように生きる「土環の儀」をはじめ、作中では描かれることのなかった様々な儀式やコンテンツを中心に、RingNe世界の文化を体験することができます。

その中には滝に打たれ、植物として豪雨に耐えるこの会場ならではの儀式もあるとか。アメミヤも原作者ながらダイアンサスの一員としてその中の2つのコンテンツ「植物礼拝」と「苔歩の儀」を執り行っていますので、お楽しみに。

マップ右側のフェスティバルエリアの方ではキッチンカーや飲食出店が並び、アーティストのライブやRingNeにまつわる様々なテーマを話すトークの時間など、野外フェスらしい企画が多数展開されます!

川を挟んだ先にはキッズ&リフレッシュゾーンがあり、お子様連れでもお楽しみいただける場所があったり、右上の金時山の方に進むとRingNeの奥宮的な秘境エリア「チルノダテ」があります。昨年は山の中で二胡の調べとお茶をいただく場でしたが、今年はまた何か変わりそうです。

ライブステージでは昨年も出演いただいたオノマトペルさんや遠山翔隼さんのLive、トークステージでは会場となる南足柄市の住民の皆様を中心にした金太郎伝説や、漆、南足柄での暮らしについてなど、地域の方々とコラボしたステージを展開します。

また今回は市民参加型演劇という住民の方々向けに演劇のWSプログラムを展開していて、その発表の時間もあり、市民の方々にもよりRingNeの世界に近づいていただく機会もつくっています。

フェスティバルエリアの方は入場無料、予約不要です。特に昨年来ていただいた方にとっては懐かしい出会いも多くあると思うので、気軽に野外フェスを楽しみたい方はぜひこちらにもお気軽にいらしてください!

ご覧の通り、今回コンテンツ、企画、アプローチが山盛りでして、HP自体もそれぞれのコンセプトに応じていくつかに分かれています。

まずは全体

上記ではまずRingNeとはそもそも何かという「プロジェクト」側の視点と今年開催される「フェスティバル」側の視点と、選んでいただけるようになっています。

そしてイマーシブエリアについて関心のある方は下記のページへ

フェスティバルエリアについて関心のある方は下記のページへ

そして本年、散々詰め込み過ぎた結果、チケットソールドアウトしても60万以上の赤字が確定しているため、クラウドファンディングも実施しています。プラットフォームは使わず、DIYクラファンです。

RingNeプロジェクトや参画メンバーの心意気に一口乗ってくださる方は、下記クラファン特設ページへ。

どうやってつくってるの?

これだけのコンテンツの数々、どうやってつくっているのか。どういう意図で企画を作っているのか、企画の裏側や背景を解説していきます。

まずは体験小説という枠組みについてのおさらい。
体験小説はアメミヤが執筆した仮想の世界を、公募で集った特定多数の面々と共に企て、不特定多数の来場者に向けて場を開き、共に共犯し、その場で起こった出来事をアメミヤが原作小説に改稿することを1つのタームとする、現実と虚構が入り混じる作品形態です。

3章構成の小説の場合、これを3年間繰り返し、1つの作品とします。
共に企てる面々においてはハレとケを含む3年間のそうぞう機会となり、来場者として関わる場合は計3日間のそうぞう機会となります。

よって今回も公募によって集まった多数の面々が、それぞれの動機で、それぞれの解釈で体験小説に携わり、各々の技能やコミットに応じたエリアや担当を受け持ち、企画制作を進めています。

なんと関係者数は現状で200名ほど。ディレクターやアーティスト、役者やダンサーなど多種多様な方々が全国津々浦々から参加していただいています。

関係各者がまとまっているページがないのが惜しいのですが、たぶんXで「#RingNe」で検索すれば関係している人があらかたでてくる気がします。

そしてそれだけの規模まで広げた背景としては、2章自体の特性が関わっています。1章からご参加いただいている方々はお気付きかもしれませんが、RingNeのロゴマークは1章の芽から花に変化しています。更に言ってしまうと、来年最終章は種になります。

昨年は芽ということもあり、RingNe世界が現実に現象する芽吹きを、友達の友達くらいまでの範囲で丁寧に作っていきました。2023年の元日に小説を公開し、エッセンシャルなテキストのみのLPを公開し、最終的には100名ほどの面々が集まります。

自分としては小説をはじめとしたRingNeの世界観の構築はもちろん、企画の骨子をあらかじめ作成し、参加者の興味関心に応じてセクションを振り分け、原作同様”森をアナロジーにしたDAO”を掲げて、様々なステークホルダーとどのように豊かな生態系を結ぶかを共に考え、共に作っていきました。

1章のフォレストステージの模様

そして2章は花です。
ある植物学者は植物にとっての花とは「劇場」であると言いました。
花には花粉を求めるミツバチや虫、それを求める鳥、両生類、更には花を摘む人間や、花粉を送粉する風など、様々な役者や演出効果が集います。

その舞台では生き物による花粉の略奪や、死、ミツバチや風をキューピットにしたラブロマンス、喜劇や悲劇まで、様々な物語が展開されます。

1章は「人で在るうちを共に祝う」という原作小説で描かれているフェスティバル同様のコンセプトで作り、当日はまさにそんな空間が訪れましたが、2章のメインアクトとして描かれるダイアンサスは逆に、人で在るということを呪っているようにも見える集団です。

彼らは人とは脱するべきものであり、輪廻する植物を済度の対象として見ています。一方でその考え方には組織内でグラデーションもありますし、RingNe世界の全ての人が植物を神聖視する考え方なわけでもありません。

2章は舞台。そこでは考え方の違いによって巻き起こる様々な愛憎と衝突を描いています。そして奇しくも物語同様に運営チームも愛憎と衝突を繰り返して、ここまでやってきました。(物語にあわせて意図しているわけではなく、ごく自然発生的にというのが不思議で面白いところ)

1章のセレモニーの模様

またアメミヤ自身の作品への携わり方も2章では大きく形を変えました。
体験小説作品では初めての試みになるのですが、自らプロデューサーを降りて、基本的には原作者としてアウトプットが物語の世界観と齟齬がないか最終確認だけをするポジションになりました。

これまでは基本的に全ての企画、エリアに携わり、全体をハンドリングしながら進めていたのですが、今回は確認に上がるまでは一切の存在感を消すスタイルに。

その意図としてはいくつかあるのですが、1つは最終章で実現したい形式のため必要なチームの進化と助走のため。もう1つは自分の目がないからこその自由な解釈による物語のハレーションへの期待、という点などがありました。

その結果得たものも失ったものもありますが、この辺りの個人的な所感は後日SNSの方に書こうかと思います。

フェスティバルとしてのスコープも昨年主眼を当てていた「コンテンツ」からの導入フェーズを経て、今年はダイアンサスという過激派の祭をつくることでRingNeの世界観により没入度を深めた体験をつくり、コンセプトの伝達フェーズとなりました。

フェスティバルは不特定多数の来場者と共に醸し、作っていくものですので、最終章まではよく耕し、よく醸し、文化の芽生えが現れるまでは内外共に丁寧に育て上げます。

なので2章はほぼほぼ自走してくれているため、自分は粛々と単独で3章やその後の体験小説の準備を進めることができています。

自分がフルで携わっていない分「あれ、いつものアメミヤ作品と違う」という違和感が出る方もいると思いますが、それはそれで新たな体験価値を見つけ、楽しんでいただければと思います。

逆に自分もいちRingNe世界の住民としてこの場を体感することで、作り手側では得られなかったクオリアが得られるのではないかという期待もあります。当日はぜひ一緒にRingNe世界を楽しみましょう。

3章で最高のクオリアを得るために2章はとても大事なステップになりますので、ぜひご体感ください!

情報まとめ


▼イベント概要

日程:2024年9月22日 (日)
開演:12時00分(開場:11時00分)
終演:19時00分
会場:神奈川県南足柄市矢倉沢 夕日の滝
入場:無料(コンテンツをお楽しみいただく場合は、別途チケットの購入が必要です)※残るは異世界観光パスのみ!

公式HP:

クラウドファンディング実施中! アメミヤを使えるリターンもあります!



以下参照記事:


体験小説についてより深く知りたい方へ

第1章について


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アメミヤユウ/体験作家
「こんな未来あったらどう?」という問いをフェスティバルを使ってつくってます。サポートいただけるとまた1つ未知の体験を、未踏の体感を、つくれる時間が生まれます。あとシンプルに嬉しいです。