コロンブスはスペインに戻って完成する
アメリカ大陸を発見したコロンブスは、東方見聞録に記された「黄金の国ジパング」への憧れから、スペインの王を説得し投資を受け、海に出た。彼は、生涯、発見した土地をインドだと信じていたと言われているが、ジパングには到達できなかった。
しかし、大陸を発見したことには違いない。
それは、インドでもジパングでもなかったが...
彼が、発見した大陸に上陸した時、彼は幸せだっただろうか。
まずは、インドに到達した歓喜はあっただろう。
でも、僕は、血管の中に血がぐわああああと流れ、彼が、歓喜を心から感じた瞬間は、スペインに戻って、パレードの中、大歓声を浴びている時が幸せの絶頂だったと勝手に思っている。
本でしか、彼の上陸後の行動や気持ちは知れないが、
ラス=カサス『コロンブス航海誌』には、上陸した後の行動が現状知れる範囲で書かれている。
上陸してみると青々とした樹木が見え、水もふんだんで、いろんな種類の果物が実っていた。提督(コロンブス)は、二人の船長をはじめ、上陸した者達、および船隊の記録官である、ロドリゴ・デ・エスコベート、ならびにロドリゴ・サンチェス・デ・セゴビアを呼んで、彼が、いかにしてこの島をその主君である国王ならびに女王のために、並居る者の面前で占有せんとし、また事実、この地において作成された証書に委細記されてるように、必要な宣言を行ってこれを占有したかを立証し、証言するようにとのべた。
ここに記載されていることは、「ここは共同創業者のために占領した土地で、発見したのは「俺」という宣言」。
彼は、これをスペインに持ち帰らないと新大陸発見者のコロンブスは完成しなかった。
発見しただけではダメで、誰かにそれを認めてもらわないといけない。