花冷え

 慣れ親しんだ職場を理不尽に退職に追い込まれた日から、
 ついに一年が経とうとしている。

 不安障害は悪化の一途を辿り、仕事は一週間から三か月で全て辞めてしまった。完全なる社会不適合者の誕生である。

「仕事を探すなら五月からにしなさい」
 たまたま立ち寄った占い師さんがそう言っていたので、私は四月いっぱいを休息の時間としてきた。それも間もなく終わる。

 きっとまたホテルの仕事を探す。そうしてその隙間を使って文章を書き、小説家を目指す。今までと変わらない。
 そう、何も変わらないのである。
 やるべきことは変わらない。変わったのは慣れているかどうか。慣れは必ずやってくる。次こそ必ず仕事を、続けなければならない。

 狂ってしまうことを恐れてはいけない。
 狂人でありながらも独創性があった学生時代を今こそ取り戻すのだ。
 自分らしくあれ。
 不安も恐怖も曝け出して、それこそ自分だと誇れ。

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