ハレルヤ!

去年の今日、4月の30日。
本来2人ないし3人で行っていた清掃を
「一人一部屋、汚く仕上げて」と社員に言われた日。
あの社員の名前を私は一生忘れない。

その一言を境に、真面目に掃除していた私は全てが馬鹿馬鹿しくなり、怒りに任せて掃除を行うようになった。結果、社員に贔屓された仕事をしない大学生に逆切れされ。私は退職に追い込まれた。

以来、バイトを始めては辞める毎日。頑張ろうと思えばもちろん頑張れるのに、あの日の怒りがどうしても収まらない。矛先を失くした怒りがどこに放出されるかわからない恐怖。自分がジブンでなくなる恐怖。

誰もが私を嫌っている。

世界が私を嫌っている、

だから誰も助けてはくれなかった。

すべて世界によって仕組まれていた。

今日から、これからの僕は世界へ復讐する。
犯罪者擬きの大学生の真似事はしない。
クスリに手を染めるような、連中の同類にはならない。
それを容認するようなあのホテルの同類にはならない。

私は私の声と力を世に知らしめるのだ。
世界が私を生んだんだ。世界が私を狂わしたんだ。
その報いを受けさせる。

寝ているだけで覚醒した目。瞳は渋谷の汚れた空を見上げている。
生暖かい風に雨の匂いを期待して、夏の終わりを夢見る。

私の声は生きている。
死んだように生きてる。

ドクドクと音を鳴らし、四方八方に飛散し、時々しんと黙りこくる心臓。パレードに殺人鬼が乱入したかのような喧騒を胸に宿しながら生きている。

私は狂谷檬檸。
名前の由来は私を蔑んだ二人の生徒からとった。

今再び誕生する。
狂ってしまうことを恐れない。

慟哭の奥で高笑いしていたあの頃の自分を。
身勝手だったあの頃の自分を取り戻せ。

ハレルヤ。

ハレルヤ!!



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