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英語コーチとして:私の教え子シリーズ①ただの中学1年生の巻

私には4人の甥っ子がいます。この4人中、3人が私の英語コーチの実験台として英語を「教えられて」くれました。
初代教え子を紹介しましょう。

私の姉の子は、現在大学1年生ですが、私が教え始めたのは中学1年生でした。初めからLINEの無料通話で2年間週1回教えました。英語の塾などにも通っていない「ただの中学生」。特に英語や海外に興味もなく、グローバルな経歴もゼロ。
うちの姉が、「おばちゃんが英語教えてくれるって!」と、息子に受講を強制したことから開始しました。

今も中学生1年生も担当していますが、このころから、私の中学生に対するコーチングは、検定教科書を使うことでした。検定教科書は4年に1度改訂し、都道府県や市区町村によって使用される教科書が違いますので、常に確認します。

公立中学校の英語で高得点をとる秘訣はただ一つ。

教科書を丸暗記

教科書を持ち込めば、だれしも80%は正解できる、という教科です。ちなみに、中学校の社会科系の定期テストは教科書を持ち込めば99%は正解できるのではないでしょうか?

教科書の本文と単語を丸暗記
①本文の暗唱と書き取り
(教科書を見ないで暗唱できるかテストと本文の日本語を見て、すべて英語で書けるテスト)
②暗記暗唱ができたら、単語を変えて正しく言えるかのテストをします。

たとえば、
【 I like dogs】が暗記できたら、【猫に変えて】【私を彼に変えて】【疑問文にして】【否定文にして】【単数形にして】【時制を変えて】など、バリエーションに対応できるかの訓練をします。書くと時間がかかりますので、口頭チェックにしています。

不思議なことに、この教え子①は、暗記が最初から得意な子でした。
何回か書かせると、スペルミスはなくなり、本文も何回かで暗唱できていました。他の教え子と比較すると、この子は覚えが早かったです。私自身がもっとも遅かったので、「こんなに簡単に覚えられる子がいるのか」とびっくりしました。

通常は、この①と②の作業にずっと付き合います。できるだけ、授業の進度から遅れないように1ユニット先を進みたいのですが、生徒によって記憶できるペースが違いますので、定着するまで付き合います。

スペルを正しく書かせすぎる中学の定期考査

これは私の意見ですが、日本の中学校の英語のテストは書かせすぎです。
単語の綴りを正しく書けることを重視しすぎるあまり、
話す聴くの時間が圧縮されています。定期テストも書かせるばかりです。もっと選択式を増やすべきだと思っています。

2024年5月 公立中学校の中間テストの一例


このテスト形式、私が30年前にうけた定期考査とほとんど変化していないことが驚きです。小学校でいくら楽しく英語を学べても、ネイティブの先生が学校に来てくれても、定期考査がこの形式のままでは、30年前の英語教育のままです。個別に英会話教室に通わなければ、話せるようにはなりません。

授業よりも1歩先を歩いた結果、ステキな勘違いが始まった教え子1号

暗記が比較的得意だったこの教え子1号に、授業よりも1歩先に教科書を暗記暗唱させ続けると、
『自分は他の人よりも英語ができる』と勘違いしてくれるようになりました。
英語は才能ではなく、集団よりも先に歩けているか、だけの話なのですが、それを自己の才能と捉えられた選ばれし教え子1号は、
英語が得意科目と考えたようで、
そこに時間を使うようになっていきました。
いったん自分で自走し出すと、やり方がわかり、中学3年生の前で私から卒業しました。

高校3年生で英検準1級合格

その後、大学受験までずっと「自分は英語ができる」と勘違いしつづけてくれ、模試の点数も英語だけ70以上の偏差値をとり続けて、英検準1級も高校のうちに取得。受験も英語の配点が高い大学に入学することができました。入学後、予習なしに受けたTOEICで880点取得していたので、次は勉強をして990点を目指すように言いました。

記憶力がよいというだけはなく、この子は、読解のセンスがありました。長文で、知らない単語がでてきた時に、前後の文脈から推理する能力が最初から高かったので、これは本人の才能だと思いました。しかし、読解力があるのに、国語の偏差値が伸び悩んでいた様子・・・。この謎は今もまだ謎のまま・・・。

教え子1号を振り返って

もともと本人に才能があったところに、私が学習の方法を伝授した、というパターンの成功例だと思います。今、自分の子供が公文式を習っていますが、これも同じ手法で、「集団より1歩も2歩も先を歩くことが、好きや得意を生み出す」という理論に基づいていると思います。

他人と比較する必要はありませんが、集団の先頭に配置されることで、好きという感情が生まれる仕組みはどんどん利用したいものですね。

この教え子は記憶させることに私も苦労しなかったのですが、通常はスペルを暗記させることに四苦八苦しています。次回の教え子シリーズは、そんな四苦八苦を面白く乗り越えていく工夫を紹介しますのでお楽しみに。

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