出社したら、会社が倒産してた
G.W.の出勤日。
いつも通りに出社すると、オーナーに呼ばれた。
まだ鞄も置いていないのに。それになんだか事務所がバタバタ騒がしい。
「……今日まで言えなくて申し訳なかったんだけど、今日で、会社は終わります。私物を片付けて、帰ってください。今後の事はメールで連絡します。」
(……ぃやっっっったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!)
いつ辞めようかと思ってた。辞める時期も決めていた。なかなか言えなくて、いつ言おう、いつ言おうって、ずっと機会を探ってた。
毎日のように事務所で誰かが怒ってた。社員間の指示も連絡もぐちゃぐちゃだった。せめてお客さんには迷惑かけないように、ミスが起こらないようにと、毎日が必死だった。
事務所で誰かが怒鳴っている空気も辛くて、目の前の仕事に集中して聞こえないようにしたり、ビビってる後輩君には違う仕事の話を振ったりして、退職の話をするチャンスなんか見つけられなかった。
こんなふうに耐え忍ぶ毎日なんかまっぴらだったんだ。
オーナーから説明をされてる時間も、嬉しくて顔がにやけそうだった。
いかんいかん、オーナーは辛そうな表情だ、ここで笑顔は不謹慎。
そうだよな、自分の会社を潰すなんて辛くないわけがないよな。
可哀想にと思うけど、マスクのある世の中になってよかったと心底思う。
他の社員の話によると、みんな今聞いたばかりで、寝耳に水のことだったらしい。
十数年もいた事務所にある私物を、たった数時間で片付けて切り上げろというのも慌ただしい。
そういえば店長は、数日前からやたら片付けてるなと思ってたんだよ。
多分知ってたんだろうな。こういうことだったのか。
そんでサブオーナーは一体どこ行ったんだ。
出勤するのがだんだん鬱になってきていたから、G.W.が明けて出社したら、会社がもぬけの殻になってたりしないかな、って思ってた。
ほんとに実現するなんて思わなかった……!
夫に、「会社潰れたーーー!!! いぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーい!!!」と
解雇された者のテンションとは到底思えないメールを送ると、「やったじゃん!!!」
と返ってきた。
私の結婚は優勝したと思った。
さぁ、これから新しい仕事、どうしよーーー。
好きな人に囲まれて 好きな作業して できること増やして 役に立って 感謝して 感謝されたい
さて、フィクションでしょうか、ノンフィクションでしょうか。
家族に美味しいもの買ってあげたいと思います!世界平和をお祈りしに神社へ行きます!