【切に願う】 あらすじ
しんしんと舞う雪
降り積もる白い雪がまるで、自分の心を見透かしていくようで、ぎゅっと目を閉じたくなる。
余りにも綺麗で純粋な雪は、ボクには眩しすぎて、痛い。
まるで雪に浄化を求めるように、慎重に歩き、背中を丸めている人達の脇をボクは、その雪と寸分違わない純白の百合の花束を抱えて歩いている。
皆雪に囚われて、下向き加減で傘や帽子で周りを見向きもしないのでありがたい。
…泣いている顔を見られずに済むから。
読切作品本編「切に願う」
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