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写真にも「球種:ストレート」がある

"野球のストレートってグレーディングみたい"

野球といえば、"球速"と"ホームラン"の凄さがよく話題に上がりますが、こと「球速」においてはかなりゲーム性の高い要素だと思っています。

なぜなら、同じプロ野球選手でも、
大谷翔平のようにストレート160キロ以上のピッチャーもいれば、140キロ前後の選手も同じくプロで"技巧派"として活躍しており、プロ野球の男性投手が投げる直球の平均は、130~165キロメートル程度でかなり振れ幅のある世界であることがわかります。

一見すると160キロの速いストレートのほうが圧倒的に優れているように見えますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
そもそも160キロというスピードはあくまで彼らのピーク時の年齢・パフォーマンスでの数字であり、ピークを過ぎて球速が下がった際にいかにして戦っていくのかという問題もあります。
また、プロ野球に限らず、甲子園(高校生)の場においては160キロ代などほとんどいない技巧派のオンパレードなのではないでしょうか。

並み居る猛者たちが選ばれしプロの球界において、ストレート160キロを持たざる者たちがプロに選ばれるために見つけた戦い方にこそ、我々凡人が参考にできるおもしろい工夫があると僕は考えました。(※もちろん一般的に考えて140キロも十分に速いです)


そこでまずは、140キロ代の選手たちの気持ちになって戦略を立ててみます。

140キロ代の選手が持っている主な強みとして、

・投球のコントロール
・球種(変化球)のバリエーション

ほかにも色々細かなことは言えますが、この2つがわかりやすく差別化できる点でしょう。
ですが、彼らには第三の武器があります。

それは、140キロの「球種:ストレート」です。

何を言っているのだこいつは?と思ったかもしれませんが、もう少しお付き合いください。

160キロのストレートを持つ選手と持たない選手に共通している戦い方が実はあります。

それは緩やかに急ぐと書いて「緩急をつけること」です。
基本的にここで仕留めておきたいという場面では、その選手の最高速のストレートを出して抑えるというのが昔ながらの常套手段でもあります。
この自分なりの一番速いストレートを"いかに活かすか"が、球速に限らず相手を惑わす戦略の一つなのですが、プロ野球選手はそれを変化球の多さで錯乱させることが多いです。
なぜなら変化球が多いほど、相手は予測しなければいけないボールの軌道が増え、考えることを増やすことができますからね。

じゃあ、みんな変化球をいっぱいマスターしちゃえばいいじゃん!って思われると思うのですが、悲しきかな、人間の時間は有限で能力にも千差万別があります。そのため、変化球を覚えることだけにリソースをすべて割いたり、プロレベルまで複数の球種を取得することは非常に難しいのです。

ここで次に、最初に話した甲子園ピッチャーの視点になってみてください。
彼らにはより限られた期間で全国の猛者たちからストライクを取らなければいけないのですが、彼らはよりこの変化球を持っているケースが少なく、それゆえにストレートが武器になりやすい戦場でもあります。
そのため、我々が甲子園のニュースでよく目にする投手は、"ストレート"が武器として話題になるのをよく見かけませんか?


ようやく本題です。
では、彼らは少ない武器の中ストレートという球種をどのように効果抜群の必殺技にしているのか

それは、

ストレートの"球速"さえも計画的にコントロールしているからです。

ストレートというのは変化がないため、タイミングとコースが当たってしまえば他の変化球に比べて圧倒的に打たれやすい球種なのです。
しかしこの"タイミング"という部分に目を向けると、ストレートの球速をきちんと計画して投げていけば、かなりタイミングの取りづらい緩急の激しいストレートをここぞというときに用意することができます。

常にMaxスピードで投げることが正義だとわれわれ素人は思ってしまいがちなのですが、Maxスピードがあるということにこそ価値があるのです。
そしてどんなに速い球速にも慣れられてタイミングを取られてしまえば"おしまい"なのです。
よかった、無敵じゃなくて。


僕も圧倒的に160キロを持たざる側の平凡な大学生ではありますが、写真・映像のグレーディングではこの140キロをうまく使って自分なりに表現に幅を持たせることができています。
僕なりの「球種:ストレート」(140キロ)の戦い方について詳しく解説します。

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