結婚式をしたくなかった人が結婚式をした感想
私は長らく結婚式が苦手だった。
苦手な理由は1年半前につらつらと書いている。
そんな私が結婚することになり、結婚式をすることになり、実際に結婚式をしてみたので、その感想を残しておこうと思う。
結婚が決まって、まず相手に伝えたこととして「私個人としては結婚式をしたくない」ということだった。
相手の了承を得たうえで、私の両親にもその思いをやんわりと伝えたところ、「写真は撮っておいた方が良いけど、式はどちらでもいいのでは」という反応だった。
このときまでは、結婚式をしなくて済むと思っていた。
きっかけは、相手の両親の反応だった。
式をするのが当たり前、という感触で、相手の兄妹も親の意向を尊重して結婚式をすると決め、結婚式を開いたという。
どうしたものか…。
改めて、自分がなぜここまで結婚式に嫌悪感を抱いているのか考えてみることにした。
一つに、着飾った姿をして、「綺麗」とか「おめでとう」とか言われる状況を自分自身でセッティングすることが、むずむずする。
1年半前に書いたことと重なるが、自分の幸せを勝手に決められているような、そんな気分に陥るからだろう。
自分は、ドレスで着飾った姿より、スーツを着て仕事をしている自分の方が好きだし、自分らしいと思っている。
次に、結婚式の中に、自分がどうしてもやりたくないイベントが幾つかある。
まず、教会式。キリスト教についてほとんど知らない日本人が、有難い牧師の話を聞いて、(普段気にかけていない)「神」に誓いをたてることが、どうしても受け入れられない。特に、誓いのキスなんて恥ずかしくてたまらないので、絶対にしたくない。
そして、ケーキ入刀とファーストバイト。食べさせたり食べさせられたりする姿を人に見せる、というコンセプトがよく分からない。
その他、ブーケトスやら何やら、ちょこちょこやりたくない(けど、世間的にあこがれを持たれている)イベントがあった。
これを踏まえて、ワーキャー言われることの少ない親族式で、自分のやりたくないことを行わない式・披露宴であれば、家族の思い出として式を開くのはいいかもしれない。
そう思って、家族だけの結婚式を開くことに決めた。
大きな方向性は2人で決まったが、その後の式場探し・式の準備でも、モヤモヤが完全に解消されない。
普段の出費と比較して、結婚式の費用が高いのだ。
さらに、その費用の大半が新婦の衣装などで、「本当に結婚式を開きたいんだっけ?」という問いかけが毎回脳内で繰り返されることになる。
その問いかけがなされるたび、改めて結婚式を開く理由を思い出し、モチベーションを保っていく。
準備期間が長いし、準備する・決めることが(親族式でさえも)多い。
相手に八つ当たりに近いことを言うこともあったが、相手の気配りのおかげもあり、なんとか乗り越えた。
そして最終的には、2人とも気に入った場所(有名エピソードがある由緒ある場所で自然あふれる場所)・コンセプト(指輪交換をしないでカジュアルな会)で、式・披露宴の会場や内容を決めることができ、当日は天気にも恵まれ、家族と楽しい時間を過ごすことができた。
お色直しをしたこともあるのか、あっという間に時間がすぎた。
純粋に、とても楽しかった。
終わってから数週間経っても、当日の写真をつい見返してしまう自分がいて、これからも良い思い出として、一生振り返り続けるのかなと思うと、(式を開かなかった自分と完全な比較はできないけれど、)式を開いて良かったように思う。
こうして、結婚式アレルギーは、ようやく解消されたのかもしれない。
(とはいえ、まだファーストバイトアレルギーなどは残っているが。)