読書は“時間泥棒”? その理由と対処法
「読書は人生の糧になる」
「知識を得るにはまず本を読むべき」
――多くの人はこうした価値観をもっています。
実際、読書から得られるメリットは計り知れません。
特に自分よりも実績を出している
著者のノウハウや体験を
疑似的に自分も体感できる点は
成長や学習の近道となるでしょう。
しかし一方で
読書が“時間泥棒”になる恐れもあるのです。
ここでは、なぜ読書が時間泥棒と呼ばれ得るのか
そして読書の効果を最大化し
無駄な浪費を防ぐにはどうすればいいのかを考えていきます。
1.読書のメリットと“闇雲読み”の落とし穴
(1) 読書の大きなメリット
自分の知らない世界や知識に触れられる
ビジネス書においては
著者が長年かけて得た成功体験や失敗からの教訓を
数時間から数日の読書で学び取ることができます。
普通に生活していたら得られない情報や視点を
一冊の本を通して吸収できるのは非常に効率的です。
擬似的に体験を積める
歴史小説を読めば
過去の時代に生きた人々の葛藤や決断を追体験できます。
自己啓発書や資格取得の指南書なども
著者の歩んできた過程を
自分が追うように読み進めることで
擬似的な“体験値”を積むことができるでしょう。
(2) “闇雲読み”が時間泥棒になる理由
本を読み続けるほど集中力が下がる
読書は意外と集中力を必要とします。
長時間読書を続けると
脳が疲れてパフォーマンスが下がり
結局は「頭に入っているのかよく分からない」
状態に陥ることも。
また、休憩もなしに延々と読み続ければ
時間ばかりが経ってしまい
他の作業がおろそかになるかもしれません。
読み始めると“止めどき”を失いやすい
興味深い本であればあるほど
「もう少し読みたい」「次の章も面白そう」と
際限なくページをめくってしまいます。
気づけば数時間が経過し
「今日は結局、本を読んでいるだけで終わった…」
という状況が起こりがちです。
2.読書を“自己投資”に変えるための4つのポイント
読書は一歩間違えれば
「ただ読み続けて満足するだけ」の
時間泥棒になってしまいます。
しかし、次のポイントを押さえれば
読書を真の“自己投資”として活かせるはずです。
(1) その本を読んで何を得たいのか
まず、1冊の本を手に取る際に
「この本でどんな知識やスキルを得たいのか?」
を明確にしましょう。
ビジネス書であれば
「リーダーシップの具体的な方法を知る」
「在庫管理のノウハウを学ぶ」など。
ゴールを設定して読むだけで
ただの“漫然読み”を防ぎ
得たい情報を意識的に探せるようになります。
(2) その本を読んだ後、何を実践するのか
読書の目的は“行動の質”を高めることです。
どれだけ素晴らしい理論やノウハウを仕入れても
それを行動に移さなければ成果にはつながりません。
読み終わったら
「今日から実践すること」を具体的に決めておくと
読書がアクションに直結しやすくなります。
(3) いつまでに読み切るか
「期限を決めないと、ずっと読んでしまう」
――これは読書の大きな落とし穴です。
最初から
「1週間で読み切る」
「3日で読める範囲までにする」など
明確な締め切りを決めて
そこに向けて読書のペースを管理しましょう。
ダラダラ読まずに集中力を高められます。
(4) 今日読んだ部分で何を得て、何を実践するか
1日単位、あるいは1章読み終わるたびに
「今日得たポイントは何か?」をメモしておくと
自分の中での学びが確固とした形になります。
さらに
「今学んだ〇〇を、明日の仕事で試してみよう」というように
すぐ実践できる小さなタスクを設定するのがコツです。
3.読書は“消費”になり得る――資格勉強も同じ落とし穴
(1) 読んだだけで満足していれば“浪費”かもしれない
読書は自己投資だと考えられがちですが
ただ漫然と読んで満足しているだけでは
“消費”でしかありません。
消費が悪いわけではありませんが
「たくさん読んでいるのに、なぜ成果につながらないのか?」
と悩む場合は、読み方や目的設定に
問題がある可能性が高いでしょう。
(2) 資格を取ることも同じ構造
「資格を取れば人生が変わる」と思って勉強を続けても
実際にその資格を活かせる環境にいなければ
ただの自己満足に終わるケースは少なくありません。
資格を取る=ゴールではなく
「何を目的に、何を行動に移すためにその資格が必要なのか?」
を明確にしないと、資格取得もまた
“時間泥棒”になる可能性があります。
資格取得に関する落とし穴については
別の記事でも紹介していますので
気になる方はご覧ください。
4.読書を活かすために――“時間泥棒”から脱却する方法
小目標を設定する
本を読んだ段階ごとに何を学んだかを整理し
その学びをどう使うかを一言でまとめる。
読んだ後、すぐ行動に移す
具体的なアクションを
“その日のうち”に一つでもいいので実施してみる。
“期限”と“制限”を設ける
何時間でどこまで読むか
何日で読み切るかをあらかじめ決めておく。
ダラダラ読みを防ぎ、集中力のコントロールに役立つ。
アウトプットの場を作る
ブログやSNS
あるいは社内で学んだことを共有するなど
人に伝える場を設ける。
アウトプットの意識が学習効果を高め
読書が成果に結びつきやすくなる。
5.最後に
読書で終わるか、行動までつなげるか
読書そのものは非常に良い行為であり
先人の知識や経験を短時間で
吸収できるのは大きなメリットです。
しかし、一方で際限なく時間を奪われる
“時間泥棒”になり得る側面もあります。
結局のところ、大切なのは
「何のためにその本を読むのか」
「読み終わってから何を実践するのか」
をはっきりさせること。
これを意識せずに本を漁るだけなら
ただの時間とお金の浪費になってしまいます。
資格取得も同じで
「資格を取れば人生が変わる」と
信じてひたすら勉強していては
ゴールを勘違いしている可能性があります。
資格や読書はあくまで手段であり
成果を出すには行動の変化や成果物のアウトプットが必要です。
読書を自己投資に変えるか
時間泥棒で終わらせるか
――その分かれ道は
✅何を得たいか
✅どう活かすか
✅いつまでに読むか
✅読み終えたら何をするか
の明確化にかかっているといえるでしょう。
ぜひ次に本を開くときは
これらのポイントを意識してみてください。
読み終えたときの充実感と成果が
今までとはまったく違うものになるはずです。
今回も長文をお読みいただきありがとうございました!
ラック