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【参加ログ】VRChat企業・自治体ワールド見学体験ツアーの感想

皆さんはじめまして。インパクトラボ所属 バーチャル探究学者のLuminと申します。

この度、株式会社TAM主催の「【初心者向け】VRChat企業・自治体ワールド見学体験ツアー」に参加してまいりました。イベント概要は下記リンクを御覧ください。

イベントの趣旨として、実際に企業が展示を出したりイベントを開催する事例が増えているプラットフォーム「VRChat」にて、「面白そうだけど、どうやって始めたらいいのかな。誰か教えてほしい。」そんな企業の中の人たちが、一歩を踏み出せるような会とのことで、弊社としても非常に興味深い経験となりました。

こちらのnoteではイベントを振り返りながら、教育機関や関連事業者、及び自治体、地域イベント事業者等に関連する方々が、VRChatを活用するためには?という話をお届けします。


初心者前提に開催された事前体験会

まず、本イベントを最初におもしろいと感じたことが、VR・VRChatをそもそも体験したことのない人に向けた、事前体験会を予めイベントに組み込んでいたことです。

当日体験会に参加した方に話を伺ったところ、「Zoomでの説明→Quest2の起動からVRChatログインまでチュートリアル→Zoomをミュートにし、VRChatでの初心者案内」という形で進んでいったとのことでした。

一般的なVRイベントですと、VRChatに日々潜っている方々を対象とする場合がほとんどのため、このようなハードウェアから、初心者向けチュートリアルを設定して、イベントの開催に向けて行うことは非常に珍しいです。

しかし、本イベントではこれらの取り組みを実施し、その結果「1/4の人がMeta Quest2を本イベントのために購入」して、イベントに参加されているという衝撃の情報が公開されました。

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この事例は、企業としてVR事業を行う際に、「対象マーケットではVRを持っている人が少ないから、VRイベントを行っても仕方がない」という妄想をブレイクスルーする、非常に素敵な事例として感じました。

今後弊社でVRイベントを行う場合には、ぜひとも、このような方式を参考にさせていただこうと考えております。

法人でも、コミュニティを作っていけるVRChatの可能性

本イベント内の参加者全員が気になっていたであろう、VRChatの商用利用に関する件です。

こちらに関してはVRChatアナウンスなどを見る限りは、コミュニケーション・コミュニティユースでは法人でも利用が可能「と解釈できる」として、活動されている方が多いとのことです。

VRChat公式のアナウンスでは、明確な商用利用に関する規定が定められていないこともあり、このような判断をしている人が多いとのことでした。これに関しては私も公式アナウンス・規約を読む限りでは、コミュニティユースでの利用に関しては同じような見解を持ちました。

ただし、現実でチケットを販売し、VRChatに誘導するイベントや、VRChat内で物品を販売するなどのイベントを行う場合は、法人としての契約や相談が必要になるだろうとの声も上がっておりました。

商用利用に関する規定が示されていない一方、商用利用制限の免除に関する規定は表示されております。(表現が何故かとてもまどろっこしい)詳しくは、下記公式情報を御覧ください。

自治体や教育機関とかになると、法人でもなく、さらにややこしくなりそうです。取り組む場合は諸手を挙げて、というわけにも行かず、このあたりはあくまでグレーと捉えながら、参画していく必要はありそうです。

このあたりは正直、VRChat内でのニュースを取り上げて商用化することも、商用利用に当たるのか、VRChat内での写真家さんたちも商用利用に当たるのか、アバター制作販売を企業で行っていた場合それすら商用利用にあたるのか等、正直上げたらきりがないレベルだと感じております。

VRChatも一応、β版ですし、ユーザの我々とプラットフォーマーが模索し合いながら、考えていくことなのかなと個人的には思っています。

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一方、Twitterで一時期話題になったGugenkaさんとVRChatの中の人との対談では、一般公開情報は個人のみ話のため、それに則った法人利用は規約違反と話されていました。(動画時間、1:23:08ぐらいからの話)

これまで違反注意等は情報が特に流れていない界隈でしたが、メタバースやVRが全世界的に普及してきている中、公式が今後どのように対応していくかは、正直読めないなと感じています。

このあたりは今後、ビジネスとしてVRChatをなにか使うことができないか考える人にとって、注意して情報を追っていく必要があると感じます。

ちなみに、合わせて調べていたclusterはわかりやすく、法人利用は全部、事前相談前提とガッツリ明記されています。詳しくは下記リンク。

ワールドの権利関係について

ついで気になったところが、ワールドなどの著作権等に関する話です。

ワールド制作面では自社所有・契約者所有物以外を表現する場合について、「外観を表現せず、あくまで背景として扱う」ことや、「名前や情報を改変してそれっぽいもの程度で収める」ことで、現時点は対策されているとのこと。

講師の方々からは、当たり前なことですが「ワールドの権利関係などは、曖昧になりがちなため、きちんと双方で納得して契約する」ことを勧められました。

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さて、ここで少し気になることが、著作権についてです。

イラストやキャラクターの受発注を自治体・行政機関が行う場合、理解のある担当者や上長がいらっしゃるところ以外では、現時点でも結構な割合で「著作権譲渡が条件」としている場合が多いです。

おそらく、今後VRを活用したい自治体が増加するであろう中、間違いなくこれと同じ条文が使い回され、プロポに示されることが予想できます。

特に3Dワールドの制作等では、フルスクラッチで書き起こすような特異な場合を除き、一部アセットやシェーダ、プラグインなどをUnity Asset StoreやBooth等の外部から取得する場合が往々にしてあります。その場合、著作権を譲渡してしまうと、自分だけでなく、それらの提供者まで巻き込んでしまう事態になりかねません。

こちらの問題については、下記ページが参考になります。

特に、VRChatはクリエイター主導で盛り上がってきた文化もあり、これまでイラスト制作などと同じ雰囲気で、発注を行った暁には発注元は総スカンを食らってもおかしくない状況と、個人的に分析しています。

一方、教育機関の場合は、授業で使うことを目的とする場合、教育を担任する人及び授業を受ける人は、必要と認められる限度で著作物を複製することが認められています。しかし、VRChatでワールドを一般公開するとこれは確実に「教育を担任する人及び授業を受ける人」の対象から外れてしまいます。

それにもわからず、学校で使っているから大丈夫。という意識で利用されてしまうケースもあるため、こちらの場合においても、使用権などを明確化しておくことが望ましいと考えています。


このようなことを考えると、講師のタナベさんのように、VRの利活用について、その流れや使い方を知っている側が自治体や教育期間、企業に提案していくスタイルの営業・事業展開が、最も滞りなく、進んでいく流れとも予想できます。

実際にclusterとかは自社営業で、企業・自治体に売り込んでワールド・イベント作成を行われているところを見ていると、それが正しいのだろうなと感じます。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。

本イベントを通じて、今後、VRChatを活用した企業の取り組みはどんどん増加するだろうなと思った一方、契約や規約などのVRChatとの対話面、そして権利に関する依頼者の理解等、これから更に複雑化してくる課題に直面するとも感じられました。

弊社では今後、VRChatだけにとどまらず、VRを活用した地域創生・教育機会の創出・事業家育成などに取り組んでまりいます。

ご興味を持たれた方は、是非インパクトラボのWebサイトをご覧ください。

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P.S.

個人的にですが、こちらの参加者の方の表現にある、ワールド感はかなり刺さりました。今後VRを活用した事業を提案する中でも、逆に提案されたとしても、このあたり、気にしていきたいところです。



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