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【健康しが】かたしな高原宿泊 & 尾瀬“Ride n’ Hike”e-bikeツアー

こんにちは。
Tabiwa Nextの代表、滋賀大学大学院データサイエンス研究科の戸簾です。

今回、自転車を活用したアクティビティの創出・実践に関する現地調査として、群馬県・利根沼田地域に訪れ、フィールドワークを実施しました。

前編では、地域全体でのサイクルツーリズムやアクティビティについて、まとめました。

後編では、徹底的な顧客満足度を調査されている「かたしな高原」での宿泊と、翌日に行われた尾瀬国立公園に自転車で行くことができる「尾瀬“Ride n’ Hike”e-bikeツアー」への参加について、まとめています。

群馬県フィールドワークの趣旨

片品村の一大コンテンツ、尾瀬国立公園。
本noteではそこに至るまでのサイクルアクティビティについて、紹介します。

今回のフィールドワークは別途参加している立命館東京キャンパスが主催する「チェンジ・メイカー育成プログラム(第6期)」にて、片品村を訪れた際に併せて実施しました。

片品村が含まれる利根沼田地域について、事前調査を行った結果、こちらの地域でも複数のサイクルツーリズム・アクティビティを実施しています。

そこで、当該フィールドワークを行いつつ、自転車に関するアクティビティの実地調査とヒアリング調査を実施することになりました。

かたしな高原での宿泊体験

こちらのロッジに宿泊しました。

今回私たちは翌日のツアーに参加するにあたり、片品村内で宿泊しました。そこで顧客満足度の調査をしっかりとされていると伺った、かたしな高原さんのチャイルドロッヂに宿泊することに決めました。

チャイルドロッヂの魅力

ロッジ内は広く、大人4人が軽々泊まることができそうでした。

実際にロッジ内に足を踏み入れると、木のぬくもりが感じられる落ち着いた空間が広がっていました。客室は、大人4名が余裕を持って滞在できる広々とした造りで、快適な夜を過ごすことができました。

晩ご飯は地元の特産品を使ったBBQ!
朝から元気にピクニック。セットで全てそろっています。

特筆すべきは食事の提供方法です。夕食は地元の特産品を活用したBBQ、朝食はピクニックスタイルと、体験型の食事を採用しています。

前日までのフィールドワークでは、片品村はまちのコンテンツとなる食事やグルメスポットは決して多くない地域だと感じていました。しかし、かたしな高原では地元産の食材を豊富に使用しながら、さらにアクティビティとして食事を楽しむことを通じて、それぞれの素材や食に新たな価値を提供しています

特に印象的だったのは、これらの食事体験に必要な備品がすべて完備されている点です。手ぶらで気軽に楽しめる配慮は、私たちだけでなく、周囲のファミリー層にも好評でした。このような体験を通じた食の提供は、地域資源を活かした新しい観光のカタチとして、大きな可能性を感じさせるものでした。

充実したアクティビティ

今回は参加しませんでしたが、様々なアクティビティが用意されていました。

また、施設内には様々なアクティビティの案内が掲示されており、「チャイルドロッヂ」の名にふさわしく、親子連れで楽しめるアクティビティが豊富に用意されていました。

注目すべきは、かたしな高原さんの運営方針の一貫性です。ウィンターシーズンには「スキーヤー専用のスキー場」として、子どもがいても安心できる場所作りをされています。そして、グリーンシーズンには、親子連れを中心としたアクティビティを提供されています。

このように、シーズンを通じて明確なターゲット設定と特色ある施設運営を行っていることが、多くのリピーターを生む要因となっているのではないかと感じました。

尾瀬“Ride n’ Hike”e-bikeツアー

体験に向けて、準備をするTabiwa Nextメンバー

かたしな高原への宿泊翌日、私たちは、尾瀬"Ride n' Hike"e-bikeツアーという、尾瀬国立公園を自転車で周遊するツアーに参加しました。

今回案内していただいた一般社団法人尾瀬アウトドアスポーツ振興会の
沼野健補さん(左)と星野龍二さん(右)

本ツアーでは、主催する一般社団法人尾瀬アウトドアスポーツ振興会の沼野健補さん、星野龍二さんのお二人にガイドを務めていただきました。

"Ride n' Hike"という名称は、バイクとハイキングを組み合わせた造語で、自然との調和を図りながら両方のアクティビティを楽しむという新しいコンセプトに基づいているとのことです。

革新的なアクティビティの誕生

今はメジャーではなくなった山道だからこそできるアクティビティ

特筆すべきは、このツアーが実施されているルートの歴史的背景です。尾瀬国立公園へのアクセスルートは3つありますが、このコースは最も早く車での通行が可能になった山道です。

しかし、現在では他のルートほど利用されていないという特徴があります。そこに着目し、新たな価値を見出すべくe-bikeツアーとして再活用されている点は、このような目線は、これまでその山道が持っていた「意味」を、新たな「意味」に革新する「デザイン・ドリブン・イノベーション」の好例といえるでしょう。

充実した装備とサポート体制

ヘルメット・手袋と装備品のレンタルもバッチリ。
ハイエンドなe-bikeで、疲れ知らずに獲得標高800m超を達成!

ツアーでは、ヘルメットや手袋などの安全装備が完備されており、世界的トップメーカーSpecializedのLEVOというハイエンドなe-bikeを使用しました。初心者への配慮も徹底しており、ツアー開始前には乗り方のレクチャーが実施されます。

特に印象的だったのは、万が一の事態に備えた救助体制の充実ぶりです。一般的な山岳地帯では救護が困難な場合が多い中、このツアーではルート全体が車両でアクセス可能な設計となっており、緊急時の対応が迅速に行える体制が整備されていました。

この手厚いサポート体制は、特に高齢の方やお子さん連れのファミリー層にとって、安心してアクティビティに参加できる重要な要素だと考えられます。自然の中でのアクティビティには常にリスクが伴いますが、それを最小限に抑えながら最大限の体験を提供するという、バランスの取れたツアー設計がなされていました。

魅力的な体験内容

下山者に配慮して、山道を走行。

e-bikeならではの特徴を活かし、通常では長時間の徒歩を要する目的地まで、効率的かつ楽しくアクセスすることができます。山道での走行時には、下山者への配慮を忘れず、安全な走行を心がけました。

アヤメ平(だいら)までのルートは起伏に富み、深い緑に囲まれた素晴らしい景観が続き、自然との一体感を味わいながらの走行は格別な体験でした。

アヤメ平につくまでのルートも最高!
アヤメ平での絶景を堪能しました。

頂上付近では自転車を置いて散策する時間が設けられており、尾瀬の雄大な自然を堪能することができます。ガイドの方々は尾瀬ガイドの資格も保持されており、アヤメ平の歴史や自然について詳しい解説をしていただき、単なる景観鑑賞以上の深い学びを得ることができました

良い景色の中、暖かい食事が楽しめる体験付き。

さらに、アヤメ平到着後には、心温まる昼食タイムが用意されていました。地元特産のマイタケを使ったおこわやお味噌汁が振る舞われ、e-bikeのアシストのおかげで汗だくや息切れにはならないものの、適度な運動後の温かい食事は格別な美味しさでした。

雄大な自然の中での食事は、このツアーならではの特別な体験でした。

下山時はスピードを上げて、疾走感あふれる走行!

下山時には爽快な疾走感を味わうことができ、自転車の魅力を存分に体感できました。

このツアーには50代、60代の方々も多く参加されているとのことで、その安全性と楽しさは幅広い年齢層に支持されています。山道の起伏を活かした適度なスリル感と、e-bikeによる安定した走行性のバランスが、誰もが楽しめるアクティビティとして、滋賀県での新たなサイクルアクティビティの実践に向けた参考となる体験になりました。

さいごに

最後までお読みいただきありがとうございました。

この度の調査を通じて、片品村における自然を活かしたサイクルツーリズムの可能性を実感することができました。特に既存の資源に新たな価値を見出し、現代のニーズに合わせた形で提供されている点は、地域活性化のモデルケースとして非常に示唆に富むものでした。

また、私たちは片品村や利根沼田地域における、サイクルツーリズムやモビリティアクティビティについても、現地調査をする事ができました。こちらも是非チェックしてください。

今後も、当該補助金に関する活動、及び当団体に関連する活動について、下記noteマガジンでお届けしますので、是非チェックしてください!

Tabiwa Nextとは?

Tabiwa Nextは滋賀大学と立命館大学の学生らによって、2022年に組成され、「ビワイチ」をモデルとした新しい観光のあり方の企画・検証を実施している団体です。

団体メンバーの特徴として、データ分析、政策提案、ウェルビーイングの分析、社会実装など、多様な専門性を持つ大学生・大学院生・社会人が集まり、それぞれの得意な分野で滋賀県の観光を考える取組みを進めています。

本活動の一部は、令和6年度「健康しが」活動創出支援事業費補助金の支援を受けております。


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