【GRIP】アワイチ 淡路島一周チャレンジ
こんにちは。インパクトラボの上田です。
私たちは、これまで健康や地域資源にフォーカスした質の高い体験型観光として琵琶湖を自転車で一周する「ビワイチ」をモデルとして、データを活用したツアーへの応用や観光政策への応用を検討してきました。
そこで今回は日本のサイクリングコースベスト10のうちの1つである、兵庫県・淡路島を1周するコース「アワイチ」について、10月18日(水)に滋賀大学大学院の戸簾さんと一緒に調査・体験をした内容を、このnoteで報告します。
アワイチとは?
アワイチで150kmにチャレンジ
これまで琵琶湖を自転車で一周するビワイチで約200kmを経験しましたので、ビワイチとアワイチの違いや共通点を紹介したいと思います。あくまで個人の感想に基づく見解になります。
1.海が綺麗
琵琶湖を横に見ながらライドをするビワイチと同様に、海を横に見ながらライドするアワイチでは、透き通った海が綺麗でした。さらに、琵琶湖では対岸を意識する機会はあまりなかったのですが、アワイチでは、対岸にうっすらと見える関西空港、和歌山県、徳島県かなと色々と考えながら走ることができるのもいいなと感じました。
2.想像以上に坂がキツい
アワイチはビワイチより距離が短く、少し坂があるくらいと思っていたのですが、ライド中は想像以上に坂のアップダウンに苦しめられました。日程の問題もあるかもしれませんが、150kmを自転車に乗っている間にアワイチをしていると思われる人が4,5名くらいしか見ることができなかったです。初心者の方よりは、坂によるアップダウンを楽しむことができる上級者の方向けかもしれないと思いました。他にも、サンセットロードあたりが勾配が緩やかであるため、トライアスロンのバイクコースとも相性が良いと感じました。
3.ライド後の達成感が気持ち良い!
ビワイチは琵琶湖を一周、アワイチは淡路島を一周するということで、スタート地点とゴール地点が同じため、朝から自転車をこいで夕方に到着する時の達成感が心地良かったです。Garminであとから距離などを見返すとより達成感を得ることができます。
最後に、今回のアワイチでは、血糖値が下がってしまい力が出なくなるハンガーノックの症状になるのかを調査しました。約2時間に1度、センサーを使って血糖値を測定。想定より血糖値に急激な変化は見られませんでした。
アワイチ半周ルート80kmにチャレンジ
こんにちは。戸簾です。ここからは「初めてのロングライド・初めての自転車旅行」を行う人の目線で報告をします。
1.ショートカットでも同じ達成感を味わえる
ビワイチにはない最大のポイントです。今回私はアワイチの半周、ショートカットルートを用いました。これで初心者であっても、1日で150kmを走りきる猛者と一緒に楽しむことができました。
一方、何も考えずルート選択した私の責任ですが、私が選んだショートカットルートは山越えを15kmほどするルートでした。「急なアップダウンに注意」する表記が地図にあった関係上、この地点は表示がなく、平坦な山間の道かと思いきや全くそうではなく……
やはり高低差がある分、ショートカットをするにしても、アワイチは難易度が高いことは間違いないと感じました。
その点で淡路島は高低差の少ない前半ルートを回るなどのライト層を対象とした自転車利用によるウェルビーイングの醸成と、観光地ならではの地元魅力を楽しむことができる良さがあると感じました。
2.補給食などの準備が必要不可欠
今回、初めてのロングライド中にハンガーノックの症状を経験しました。
初めてのロングライドで、上田さんから情報を得て、事前に補給食を用意していたため助かりましたが、何も知らない状態で一人で始めると非常に危険です。健康に気を遣った観光でも、倒れてしまえば本末転倒です。
また、淡路島は前半は栄えた場所が多く、コンビニも程よい間隔にありましたが、南側、西側、中央部はコンビニすらなく、その場所でハンガーノックになっていたらと考えると絶望的です。さらに、内陸が山になっているため、海岸線以外に食料を調達できる場所がないことも難点です。
滋賀県のビワイチの場合、走行する湖岸道路の沿線においては、道の駅やコンビニがある程度であり、初心者でも離脱しやすい構造にあることを再度認識しました。
一方で、それらの逃げた先の店舗には基本的にサイクルラックがないため、自転車利用者はお断りである状態が多く、この点は改善するべきポイントです。この点はウェルビーイング視点で質の高いビワイチを実現する上で、問題となり得ることが容易に予想できます。
サイクリングを通じて観光への取り組みを促そうとしても、実際に滞在することができない場合が多いため、この問題を解決する方法が必要です。同じ一周のサイクリングでも、難易度や特徴に応じた観光客へのアピールが重要になりそうです。
総括
最後になりましたが、アワイチを実際に体験することで、魅力や課題を肌で感じることができました。これからも様々なところにあるサイクリングロードを実際に自転車で走ってみて感想などを共有していきたいと思います。
この調査は、2023年度立命館大学グラスルーツ・イノベーションプログラム(GRIP)に採択された「ウェルビーイング社会の実現に向けた「ビワイチ」を軸としたデータ探索と実証」(代表:立命館大学生命科学部 山中 司教授)のチームとして実施しました。
引き続き様々な調査・研究を実施していきます。
応援よろしくお願いいたします。