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【健康しが】ICSC2024のプレイベントとして、テクニカルツアーとワークショップに参加しました。
こんにちは。
Tabiwa Nextの滋賀大学大学院データサイエンス研究科の戸簾です。
今回は愛媛県・今治市で開催された国際会議「12th International Cycling Safety Conference
(ICSC2024)」に、ポスターセッション登壇者として参加しました。
まずはICSC2024のプレイベントである、テクニカルツアーとワークショップについて、内容と得られた事を共有します。
ICSCとは?
International Cycling Safety Conference(ICSC)は、自転車の安全に関する研究者や専門家が集まり、知見を共有し、新たな研究テーマや安全対策について議論を行う国際的な学術フォーラムです。
2012年にオランダで初めて開催されて以来、毎年ヨーロッパで開催されてきた本会議の特徴は、約200名程度の主要参加者による小規模かつ密度の高い対面形式の会議であり、異なる専門分野の研究者が一堂に会して活発な意見交換を行うことにあります。
2024年には、アジアで初めての開催となる本会議が国際交通安全学会(IATSS)の主催により日本で開催されることが決定しており、自転車安全に関する国際的な研究交流の新たな転換点として注目されています。
この会議では、自転車事故の予防、インフラ整備、交通政策、利用者の行動分析など、自転車安全に関する幅広いテーマについて、最新の研究成果や知見が共有され、より安全な自転車社会の実現に向けた議論が行われます。
前日:滋賀県から6時間かけて到着!
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今回は実際に自転車を使うデモやツアーが多くあったため、自転車を滋賀県から輸送し、現地入りしました。
だいたい6時間ぐらいで到着しました。愛媛発でしまなみ海道を走る場合、自分の自転車を持って行こうとすると、宅急便輸送か自分で持って行くかのどちらかになる点は、少し大変だと感じました。
おそらく、サイクリストの方々は輪行で広島まで行き、渡った先の今治で若干滞在する方が多いのではないかと感じた部分でした。
しまなみ海道を廻るテクニカルツアー
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翌日早朝、今治駅前に集合し、しまなみ海道を廻るテクニカルツアーが開催されました。
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テクニカルツアーには総勢40名程度、世界各国の研究者の方々が参加されていました。軽く話を聞いていても、アスリートの方々や観光客の方々とは異なり、この町の構造や経済的な流れなどの話がされており、やはり、研究者としてサイクリング挑んでいるプロがたくさんいらっしゃることが分かりました。
一方、ロードレースにも参加されている研究者の方や、トライアスロンの実践・専門家の方もいらっしゃり、非常に多様な方々とテクニカルツアーを行うことができました。
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本ツアーでは、自転車で走るだけでなく、どのように今治でサイクリストをもてなしているかなど、町としての取組や民間の取組について、まずお教え頂きました。
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その後は実際にしまなみ海道に繰り出しました。市街地から走り出して、おおよそ1時間で来島海峡大橋に到着しました。
参加者のみなさん、すべての人がこの景色に見とれていました。初めて見たときの感動は素晴らしいです。ビワイチも琵琶湖大橋などがございますが、圧巻だと感じた場所は来島海峡大橋でした。
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来島海峡大橋を渡りきった後、レンタサイクルを返却し、フェリーで市街地に帰りました。このような、途中でやめることができる仕組が罪悪感無く設定されていることは、レンタサイクルで挑むような初心者にとっては、非常にありがたいものだったと感じました。
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また、フェリーでは単純に帰るだけではなく、来島海峡大橋を下からのぞいてみたり、造船所に訪れてみたりと、帰り際にも楽しめる仕組が充実していました。
このようなサイクリングだけで無く、その先にある観光体験まで、より幅を広げて提供していることが分かりました。
今治港でのアクティビティデモ体験
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テクニカルツアーの終了後、今治港に到着しました。今治港では参画企業の方々が実施するアクティビティデモが行われました。
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都会ではよく利用されている電動キックボードよりも安定的な新しいモビリティの体験会が行われていました。予約制であったため、体験することは難しかったですが、一般的なキックボードと比べて、非常に安定したステアリングコントロールを行い、スラロームに挑んでいました。
ワークショップ:Moving from the Present to the Future: Upcoming Issues, Methods, and Challenges in Cycling Safety Research
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デモの実践後、ワークショップが開始されました。ワークショップでは、サイクリングの安全性に関して、現在の研究や取組を見ながら、将来的な可能性について議論を行いました。
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ディスカッションでは4つのグループに別れ、非常に様々な地域の研究者の方々とこれから先にある自転車に関する研究について議論を行いました。
その中でも面白い意見は「自転車は安くあるべき」「e-bikeを使ってモビリティの活動範囲を広げる」「テクノロジーに頼り切らず、デザインやルールで社会を変える」などが挙げられました。
一つ面白かったことは、できるだけテクノロジーに寄らず、パラダイムシフトをもたらすことが重要だと多くの方々が考えていらっしゃったことです。最後にそれぞれの議論内容を発表してワークショップは修了しました。
また、今回のワークショップのシェアはLinkedInに共有され、海外では研究者ネットワークでもLinkedInを用いると知り、非常に面白い観点でした。
さいごに
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回はビワイチに直接関係する話題ではありませんでしたが、今の滋賀県の取組との違いや必要だと思われること、逆に滋賀県の特徴などを学ぶことができる非常に良い機会でした!
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さらに懇親会では、今治市長の徳永繁樹さまがご登壇され、非常に素敵なお話をいただきました。滋賀県がこれからもビワイチを進めるために、重要なことや可能性を感じることができました。
今後も、当該補助金に関する活動、及び当団体に関連する活動について、下記noteマガジンでお届けしますので、是非チェックしてください!
Tabiwa Nextとは?
Tabiwa Nextは滋賀大学と立命館大学の学生らによって、2022年に組成され、「ビワイチ」をモデルとした新しい観光のあり方の企画・検証を実施している団体です。
団体メンバーの特徴として、データ分析、政策提案、ウェルビーイングの分析、社会実装など、多様な専門性を持つ大学生・大学院生・社会人が集まり、それぞれの得意な分野で滋賀県の観光を考える取組みを進めています。
本活動の一部は、令和6年度「健康しが」活動創出支援事業費補助金の支援を受けております。