もりやまキャリアチャレンジ2021|開催レポート#3【レクチャー】
こんにちは!インパクトラボスタッフの藤井はるかです。
今回は7月27日(火)に実施されたもりやまキャリアチャレンジ2021の第3回のレクチャーについて報告します。
もりやまキャリアチャレンジの概要はこちら
もりやまキャリアチャレンジは、滋賀県守山市に在住あるいは守山市にある学校に在学している生徒を対象とした、若い世代向け起業家推進プログラムです。本プログラムは、「起業家の集まるまち守山」をキーワードに、若い世代の起業家や将来の起業家を育成すること、起業家を応援する大人・企業を増やすことを目標とした守山市の「2021年度 守山市の将来を支える若い世代の起業家教育推進事業」として実施されてます。
前回は、キャリアゼミが7月25日(日)に行われ、その際の開催レポートも公開されています。ぜひご覧ください!
第3回のレクチャーでは、株式会社日本金融政策公庫の村上尚史様・永瀬雄一郎様にビジネスプランの作り方についてレクチャー頂きました。
1.ビジネスに関する金融知識
まず、ビジネスの成長段階に応じた資金調達方法についてレクチャーがありました。ビジネスは大きく、シード→アーリー→エクスパンション→レイターの4段階に分かれており成長段階に応じて資金の調達先が変化していきます。日本政策金融公庫様はシード期からエクスパンション期のビジネスを対象として融資を行っているそうです。実際に起業する際の資金の流れとしては、資金集め→設備の購入→起業と3つのステップを踏む必要があります。
資金調達に対する理解を深めるために、守山市でITベンチャー企業を創業する場合の例を挙げ、具体的な金額の見積もりを説明して頂きました。起業時は事業内容によっては数千万円規模の資金が必要となるため、資金が不足することも多々あり銀行や個人投資家、日本政策金融公庫といった金融機関からの資金援助が必要なケースが多いです。そのため、ビジネスを始める前に事業計画を練る必要があります。
2.顧客の定義
ビジネスを始める際にまずはターゲットを設定し「誰に売るのか」を決めなければいけません。ターゲットを設定することで、
・取り扱う商品及びサービスが具体的になる
・販売方法や提供方法がイメージしやすくなる
・販売価格が決まる
・市場規模がわかる
といったメリットがありビジネス全体像がイメージしやすくなります。今回のレクチャーでは、チームごとに10分間話し合ってビジネスプランのターゲット層及び市場規模を予測しました。ビジネスプランが明確に定まっていないチームが多かったため苦戦しながらも、シートに記入しながらターゲットについてしっかりと話し合っていました。
3.顧客が抱える課題の定義
次に、顧客の課題と原因を考え商品・サービスを使ったあとの生活まで考えるために、チームごとにもう一度ワークを行いました。まずは「課題」「原因」の枠組みを考え、自社の商品やサービスを使うことで「どんな効果・効能があるのか?」「生活がどのように変わるのか?」の予測を行いました。
あるグループの発表では、ターゲットを「将来のキャリアが想像できない高校3年生」に設定し、原因は「実際に働いている大人との接点が少ない」からだと予測していました。そこで、何かしらのサービスを考案し高校生と大人の接点を作ることで、働く姿をイメージしやすくなるため、「進路を決定する際にキャリアを考えやすくなる」のではないかと考えをシェアしてくれました。
4.商品・サービス・販売方法
ターゲットを決めた後は、どのような商品・サービスを提供するのかをグループごとに話し合ってもらいました。このグループワークの際には、「競合商品は何か」「競合商品の方が優れている点は何か?」「自社の製品の方が優れている点は何か?」というフレームワークを用いて、自社製品の競合優位性について考えてもらいました。
どのチームも具体的な製品やサービスを考えるのに苦戦しており、日本政策金融公庫のお二人をはじめとし、レクチャーにお越しいただいた財務省近畿財務局大津財務事務所の一丸様、守山市役所の杉本様、株式会社平和堂の梅本様にアドバイスを貰いつつ懸命にワークに取り組んでいたのが印象的でした。
5.経営資源・課題
次のワークでは、経営資源である「人」「技術」「設備」「お金」の4つについてサービスの開発・製造の視点から考えるために、それぞれ具体的に必要とされる経営資源について話し合ってもらいました。例えば、人材の場合「〇〇の資格を持っている人を△人」や、技術の場合「〇〇を配合した□を作る技術」などできるだけ具体的に述べて、必要な資源や設備をイメージしやすいようにリストアップしてもらいました。
ただ、原材料や人材といった経営資源の多くは外部から調達してくる必要があります。そのため、経営資源の調達面での課題をどのように解決するかという面まで考えた上でビジネスプランを練る必要性があるとのことです。
6.収支計算
最後に収支計算の方法についてレクチャーしていただきました。日本公庫経営指標を使うことで、業種ごとに売上原価・人件費・諸経費等が推測できるためある程度の予想売上高を計算することが可能になるそうです。
日本政策金融公庫の村上さんは、「ビジネスプランを考えるときに『どのくらい売れるかわからない』と考えを放棄するのではなく、実際にテストマーケティングによりデータを少しでも集め、収支計算することで具体的に予測できる大人になって欲しい」とおっしゃっていました。
最後に
ビジネスプランを考えることももちろん大切ですが、実際に起業する際にどのように資金を調達するのかという方法や収支計算の方法を知っておくことで、プランの実現可能性が高まるのだということがよくわかりました。
もりやまキャリアチャレンジでプランを考える際も、今回のレクチャーで教えていただいた視点を取り入れることでより実現性の高いプランになるのではないかと思いました。
次回は8/12(木)に各グループによる中間発表を実施します。これまで実施したキャリアゼミやレクチャーで学んだことを通して各チームどのようなビジネスプランを発表してくれるのか楽しみです!