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海城中学高等学校2024年帰国生算数入試解説

問題は学校ホームページよりダウンロード可能ですので、お手元にご用意ください。

https://www.kaijo.ed.jp/admission/download-exam

問題構成

以下に問題の単元と主観的な難易度をまとめました。ここを読んで復習や演習に取り組むといいと思います。

  • 大問1 小問集合        易

  • 大問2 損益算    普

  • 大問3 場合の数   普

  • 大問4 旅人算    普

  • 大問5 空間図形 一部やや難

  • 大問6 特殊算    普

所感

合否の境目としては、小問と大問3,4の(2)以降を
取りきれるかだと思いました。問題自体は、ひらめきを問うものがそこまでなかったため、純粋な算数力を試されていると感じました。特に小問は、食塩水の濃度問題や過不足算や周期算などの様々な単元が詰め込んであるので、苦手なものが1つでもあるとそれだけ差がついてしまうように感じました。

解説編

それでは解説に入ります。本記事は全解説が有料となっておりますのでご了承ください。以下に筆者がどのようなコンテンツを提供しているかを一部載せますので、参考になると思いましたら是非ご購読ください。一括PDFは最後にありますので、記事の文章がいらない場合は飛ばしてダウンロードしていただいても構いません。

大問1 小問集合

(1) 分数・小数の計算

(1)計算過程

サービス問題です。入試本番は緊張すると思いますが、こういった問題を確実に取りきることが重要です。

(2) 食塩水の濃度計算

(2)てんびん算を活用した計算

まずはAの濃度を求めます。こちらは1:1で混ぜ合わせているので計算しなくても5%であることはすぐに求められます。後半ではAの食塩水と1%の食塩水を混ぜ合わせます。てんびん算を使って解くと、食塩の量をわざわざ計算しなくても濃度を求めることができます。こうしたテクニックを使えるようになると時間に余裕が出てくると思います。

(3) 過不足算


(3)面積図を用いた考え方

過不足算は数直線を使うものや面積図を利用するものなど、複数の解法がありますが、筆者は面積図を使って解くのが好みです。本問題では列の数に注目して考えます。問題文前半では「最後の列は7人になり」とあるので、13人足りないことを面積で表現します。問題文後半では「2列多くなり、最後の列は18人」と書いてあることから、20人ずつ並べたときの列の数に追加で2列を並べ、その人数を面積で表現しました。20人ずつ並べたときの列の数を①とすることで、左右の面積を等式でつなげて、列の数を求めます。生徒の人数を求めるので、面積にあたる人数を計算する必要があります。

(4) 周期算

(4)周期に注目

分子が4つ周期になっていることに気付けば、2024を分母とする数が前から何番目であるかを計算し、それを4で割った余りが答えになることがわかります。一つ注意することとしては、植木算的な考え方にもなっているので、計算した値(ここでは672)が間の個数であることを念頭に置く必要があります。

(5) 整数の割り切れる回数


(5)導出過程

本問題は50~80までの連続する整数の積が2で何回割り切れるかという問題でした。よくある問題は1が始まりとなっているため割る数の累乗を考えていくことで計算できました。その発想をもてば、1~80までで割り切れる回数を計算して、1~49までで割り切れる回数を引けば答えになることがわかります。

(6) 平面図形の角度


(6)相似に気付けるか

本問題は相似に気付けるかがポイントでした。DEという補助線を引くことで相似な図形が現れます。さらに対応する角度が等しいことから、同位角が等しくなり、EDとACが平行となります。ここまで気づけば解けると思います。

大問2 損益算

大問2解説ノート

(1)では利益を聞かれているため、まずは一本あたりの定価を求めます。定価のまま全て売れれば(*)の計算となりますが、文章の最後で予定金額の97%になると書いてあるので、(*)の97%を計算する必要があります。

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