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私が「いいよ」と言いさえすれば
熱を出したんだから、
モモちゃんのキゲンは最悪になり、
叫んだり暴れたりするんだろうな…
と覚悟していたけど、
思っていたよりは、
平穏に過ごせている。
というか、
暴れる元気もないのかなー。
しかもモモちゃんが、
「シャワーできないから、荒れたくなる!」と怒鳴ったとき、
私がワニ目となり、
「荒れてもいいよ。
ただ、叫んだらモモちゃんのノドが痛くなるよ」
と言い返したのも原因?
モモちゃんは黙ってしまった…
ノドが痛かったのね、実際…
叫んだり暴れたりは少なかったけど、
モモちゃんは
「お菓子、買って」
「テレビの雑誌、買って」
「絵本、買って」
「オレンジジュースがすぐ飲みたい」
「今日もカラオケ行くの」
などと言い続けていた。
たぶん熱を出したとき、
したいことができなくなって、
モモちゃんが泣きわめくので、
亡き母は
「お菓子、買ってあげるから」
「絵本、買ってあげるから」と、
言い続けていたのだろう。
以前の私なら
「買ってあげると言っていいのかな」
と迷うところだけど、今はちがう。
「いいよ、買おうね」
「いいよ、飲もうね」
「いいよ、行こうね」
などと、ひたすら言い続ける。
買わなかったとしても、
あとでモモちゃんから
責められることないってことが、
最近、ハッキリとわかるようになった。
私が「いいよ」と言いさえすれば、
モモちゃんの頭の中で、
もう、お菓子は手に入っているみたい。
「お菓子、買って」
「いいよ」
は、実際の約束ではなくて、
お菓子を買ってもらった気分になって、
少しでも、
つらい「今」を忘れたい、
そんな「お薬」なのかもしれない。
実際の約束ではないのに、
「いいよ」と言うことに、
以前はちょっと抵抗があったけど、
そういうのはコッチの都合であって、
モモちゃんにとっては、
「約束」かどうかはどうでもよくて、
モモちゃんのファンタジーに
付き合ってもらえるほうが、
ゴキゲン率が高くなる、
そういうことなのかもしれない。
「ただいま」
昨日はアイカタくんが夕方、
珍しく早めに帰ってきた。
私「おかえり、早いね、今日」
アイカタくん「熱があるみたい」
…。
全滅ですな、ぜんめつ。