よもぎ大福、こんにちわ
モモちゃんの話す言葉は、
どうして私たちと揃わないのだろうか。
一緒に暮らしていて、
ものすごく大きい謎だ。
言葉以外に、うまくいっていないこと…
たとえばモモちゃんに料理ができないのは、わかる。
料理だと、
「オムライスを作るには、何がどれだけ必要で、
こんな道具を使い、こういう順番で…」などと、
考えることやすることが、
すごく複雑に絡み合っていて、
正直、私にも難しい。
料理をしている人のそばで、
マネをしたからといって、
同じような料理を作るなんて、とてもできそうにない。
お金を出してお買い物をするというのも、
難しいだろうなと思う。
でも、
言葉を使うというのは、
もう少し、何というか…
ちゃんとマネしたら、
もうちょっとだけでも、
どうにかなるもんなんじゃないのかな。
私たちは子どものころ、
親や友だちの言葉を吸収して、
間違えながら、
話ができるようになってきたはず。
言葉の吸収だって簡単だとは思わないし、
誰にでも失敗があるというのは、わかる。
でもね。
「よもぎ大福、こんにちわ」なんて、
モモちゃんが言うと、
目がテンになってしまう。
そりゃあ、聞いていて可愛いといえば可愛いけど、
なぜ、よもぎ大福にご挨拶をすることになったのか、
誰のマネでもなく、
どこからそういう発想が出てくるのか、
いろいろ考えて、
しばらく黙り込んでしまう。
ちなみに
「よもぎ大福、こんにちわ」とモモちゃんが言うとき、
目の前に、よもぎ大福があるわけではない。
「めったにあるよ」と、モモちゃんが言う。
たぶん周囲にも、
テレビでも、
「めったにあるよ」と言っている人は、
滅多にいないと思うんだけど(一応、調べてみた…)、
モモちゃんは堂々と言う。
しかも前後左右の文脈は関係ない。
突然「めったにあるよ」と言う。
どうして「よもぎ大福、おいしいなあ」とか
「よもぎ大福、また食べたいなあ」とかじゃなくて、
「よもぎ大福、こんにちわ」になるんだろうか。
どうして「めったに」なんて、
日常ではあんまり使わない言葉をわざわざ使って、
「めったにあるよ」って言うのかな。
謎は深まるばかりだけど、
最近、モモちゃんが突然、こんなことを言った。
「猫背になると、脊柱管狭窄症になります」
ええっ
せき、ちゅう、かん、きょう、さく、しょう~?????
ちょっとどもりながら言っていたけど、
どうやら、
健康番組を観ていて、
覚えてしまったらしい。
こういうのは、
完全コピーできるのになあ。
「めったにない」のほうを完全コピーしてほしいなあ。
「アイスまくら、熱が出たのよ」
うーん、要素もカップリングも合っているのに、
順番がちがうというか、
文法がちがうというか、何というか…
「風邪に、生薬配合の佐々木さん」
ヘルパーさんを、薬にすんな~!
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