いざというとき、相性とか言ってらんない
私がモモちゃんの
お世話をするようになってから、
10人以上のヘルパーさんに、
支援を頼んできた。
想定通りだったけれど、
最初はなかなか、うまくいかなかった。
広島で暮らしていたころには、
ヘルパーさんに「帰れ」と叫んだり、
叩いたりしていたんだもん、
急に変わるなんて無理やろなと
思ってはいた。
最初のうちはまわりの人に、
「こういうのは相性があるから」と言われ、
「そういうもんかなー」と、
ぼんやり納得していた。
でも途中から、
「そんなこと、言ってらんない」と、
考え直すようになった。
今日で11月に入り、
私の仕事は毎年、ここらへんから忙しさのビークを迎える。
年末~年度末は、
することがたくさんありすぎて、
何からしていいのかわからず、
ボーゼンとすることも多い。
毎年のことなので、
春夏のうちから、ある程度は手を打つ。
でも、なかなか追いつかない。
集中して仕事できる時間がほしい。
10分でも、20分でも。
そのために今年であれば、
私とヘルパーさんとモモちゃんで
おでかけしていたのを
何とかヘルパーさんとモモちゃんだけで、
行けるように段取りしてきた。
それだけでも1時間は完全に集中できる。
モモちゃんとのおでかけは、
車椅子の操作や駅員さんへの依頼に加え、
モモちゃんがあちこち触ろうとして、
手が人に当たってしまうトラブルなどを
防いだりする必要もある。
一緒におでかけしてヘルパーさんの様子を見ていると、
なかなかハラハラする。
ヘルパーさんとモモちゃんが、
うまくいっていればちょっと安心できるけれど、
そもそも「うまくいく」のが難しく、
「今日のヘルパーさんは断って!」などと
朝からわめいているのに、
ふたりきりで外出してもらう勇気はない。
それでも何とか、
10人のうち4人くらいは、
モモちゃんと2人で出かけられるようになってきた。
「バッグの中に、キューピーちゃんがいるか、確認してください」
※なかったらパニックになる可能性あり。
「この曲を再生するときは、3分43秒のバージョンにしてください」
※3番まで歌うやつ。
細かい。
細かいぞっ
とにかくモモちゃんがヘソを曲げて
「行かない」とか「帰る」とか
言うことのないように、準備して見送る。
正直、
「相性」なんて言ってらんないと、
やっぱり、つくづく思う。
たとえば地震が起こったとき、
「今日のヘルパーさんとは相性が」
なんて言ってらんないだろう。
「相性のいい人に助けてもらおう」なんて、
絶対に無理。
モモちゃん自身が、
すぐそばにいる人に
助けてもらえるようにならなくちゃ。
ヘルパーさんのほうには
「どの絵本を読むときも6ページまでで終わってください」
「ホットケーキは8つくらいに割っておいてください」
などと、
モモちゃん情報を事細かに伝え、
ヘルパーさんとぶつかる可能性を減らす。
ほんま、細かいことでキレるんやから…
モモちゃんのほうには、
ヘルパーさんに、
自分の口で頼むことを増やすようにしている。
意識していなければ、
私からヘルパーさんに頼んでしまいがちになるので、
「ヘルパーさんとのコミュニケーションは、
モモちゃん自身がする」ように、
ちょこっと誘導してみたり。
相性なんて、
つくっていくもんやな…
考えてみたら
モモちゃんとの暮らしは、
常に「非常事態」なわけやから、
やっぱり相性とか言ってらんない。
そう考えているほうが、
「この人と相性いいかしら」とハラハラするよりも、
案外ラクかなとも思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?