せいちゅうけいのうほう-闘病記④

昨年の9月30日、前日に受け取ったばかりの健康保険証を手に、いよいよ耳鼻科の予約を入れる。
市内にいくつか評判の耳鼻科はあるが、組織検査は必須だろうとの予想の上で、最新の検査機器があり、細胞診・組織生検もしているとのふれ込みの某耳鼻科にWEB予約を入れてみる。
息子の職場への送迎の帰りに「ちょっと病院寄ってくらぁー」ぐらいの軽いのりのメールを夫に送り、ドキドキの慣れない病院受診。

診察室に行くと、予想外にも女性のお医者様で、喉のポコンをちょっと触って「ああー、喉に水が溜まった袋がありますね。」と。
それから何の覚悟もできないまま、あれよあれよと鼻にカメラを突っ込まれた。
カメラが入った状態で、「あー」とか何とか言うように指示され従うと、それに合わせて画像では白っぽいのがパクパクと開いたり閉じたりしている。「声帯にも問題はないし、喉の中側には異常はありません。」ほほう、あれが声帯かぁーと、しみじみ思う間もなく、カメラはサッサと鼻の外へ。カメラよりも消毒液がツンとくる。
「おそらく悪性ではないと思いますが、ここでは検査ができないので、紹介状をお出ししましょう。いずれにしても手術をして取り除くしか治療はないので、手術できる病院にかかることになります。〇〇(県外の地名)の某総合病院でよろしいですか?」
検査できる病院を選んだつもりが、できないと。なんと予想外。
しかも、中の組織を採取したら、もしかして少し小さくなって楽になるんじゃないか?
あわよくば、液体多めに抜いてもらうだけでとりあえず今の時点での治療は終了になるかも…という淡い期待は一瞬で払拭される。
「あ、えっと、今、仕事もプライベートも多忙でして、いつ受診できるかが…」
「大丈夫ですよ。すぐに検査しなければならないという類の病気ではありません。紹介状を書いてお渡しするので、行けそうなタイミング、今後3ヶ月間くらいを目処に某総合病院、耳鼻咽喉科を受診されてみてください。あ、できれば火曜か木曜に行かれたほうが良いと思います。」
というわけで、流れ作業のように速やかに診察室から出る。
受付で紹介状を受け取り帰宅。
思い返してみたら、診断名は一言も言われなかったぞ。水が溜まっていると言われただけ。
多分、正中頸嚢胞で間違いはないとは思うけれど。

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