まだ見ぬ子どもよ
養子と言う言葉は耳にしたことはあったが、現実問題として、一体何をどうすれば良いものか、私には到底見当もつかず困りはてたが、今日子はトコトン調べて色々な手段を私に教えてくれたのだ。何より私たちのように不妊治療を経験している夫婦には子どもを委託するという機会は色々と選択肢があるようだ。
とある病院では私達と面接の後、望まない妊娠(例えば、未成年や学生など)理由は多岐に渡るようだが、とにかく諸事情により出産後も子どもを育てる事が叶わない、彼女の意思のもと、多少の費用(あまり記憶には無いが出産費用やお見舞い金など)を支払い、出産後直ぐ私達が育てるというシステムだ。私達夫婦は神にも祈り、子づくりの為の訳の分からないサプリを飲みまくり、泣けなしの貯金も使い果たした夢にまでみた我が子。そんな神々しいであろう赤ん坊を、事情はあるのだろうが、お腹を痛めて出産したのち、どこかの誰かに授けてしまうとは…。などと私は得意のセンチメンタルに陥ってしまったが、捨てる神あれば拾う神あり、需要と供給、答えは風に舞っているのであった。幸福と絶望が複雑に混ざり合い、大人達の都合で振り回される赤ん坊、すでに私の想像は破裂、思考は停止してしまった。
私の暗く長いトンネルはいつまでつづくのだろうか、全て諦めれば楽になれるのになあ。諸行無常今日子さん、苦労かけます。